ヨーロッパの小国の旅 その四十四 ポルトガル

歴史的に日本との関係が深いポルトガル(Portugal)へ行ってみましょう。ポルトガルの正式な国名はポルトガル共和国(Portuguese Republic)。ヨーロッパ大陸の西側にあるイベリア半島(Iberian Peninsula)の南西にあり大西洋に面しています。東隣はスペイン(Spain)です。かつてポルトガルは地中海諸国と同盟を結び、ヨーロッパ大陸で地理的にも文化的にも海上帝国として最も栄えた国です。

ポルトガルといえば思い出すのは探検家であり航海者だったヴァスコ・ダ・ガマ(Vasco da Gama)です。記憶しやすい名前です。ヨーロッパからアフリカ南岸を経てインドへ航海した最初のヨーロッパ人と呼ばれています。インドに到達したのは1498年といわれます。さらに1500年には、インドを目指したペドロ・カブラル(Pedro Alvares Cabral)がブラジルを発見し、ポルトガルによるアメリカ大陸の植民地化が進んでいきます。

1509年、インドのディーウ(Diu)の近くのアラビア海でオスマン帝国(Ottoman Empire)の海戦が起こり、ポルトガルは勝利してインド洋の制海権を確保します。そしてホルムズ(Holmes)やマラッカ(Melaka)とさらに東進したポルトガル人は、1541年から1543年にかけて日本へもやってきます。鉄砲の伝来です。

ポルトガル人の到来により、交易が始まり、織田信長などの有力大名の保護もあって南蛮文化が栄えます。当時日本ではポルトガル人を南蛮人と呼んだそうです。1557年には明からマカオ(Macau)の居留権を得ます。マカオを拠点としたポルトガル商人は、中国から生糸などを積み込み、日本に運び、日本の銀と交換する貿易を始めていきます。この貿易は南蛮貿易と呼ばれるようになりました。