ノルウェーの地図を見ますと、多くのフィヨルド(Fjord)を持った国であることがわかります。フィヨルドは、氷河による侵食作用によって形成されたU字形の複雑な入り江のことです。ノルウェーの西部・北部にあるトロンハイム(Trondheim)やガイランゲル(Geiranger)フィヨルドは特に美しい景観といわれます。いわゆるリアス式海岸です。この海岸線には5万以上の島々が点在しています。首都はオスロ(Oslo)です。
ノルウェーの大きな都市は海岸線に発達し、人口が集中しています。ベルゲン(Bergen)やトロンハイムです。昔からノルウェー漁業や林業、農業が盛んです。これはヴァイキング(Viking)の時代からです。ヴァイキングはイギリスはもちろんロシアの海岸線まで進出しました。そしてアイスランド(Iceland)やグリーンランド(Greenland)を植民地化します。北アメリカの海岸も探検したという記録があります。ヴァイキングの精神はナンセン(Fridtjof Nansen)、アムンゼン(Roald Amundsen)、そしてヘイエルダール(Thor Heyerdahl)といったノルウェーの探検家であり人類学者、生物学者などに引き継がれていきます。
ノルウェーは伝統的にデンマークやスウェーデンの植民地でありました。1905年にようやく独立を果たします。交易が盛んとなり造船業などでも繁栄していきます。1970年代になると原油や天然ガスの発掘が始まり主要な産業となります。1990年代では主要な原油の輸出国ともなります。ノルウェーは地政学的にヨーロッパ大陸の外側に位置しているので、固有の生き方や文化を保持してきました。20世紀後半には、南ヨーロッパや南アジアからの移民がオスロ周辺に定住しますが、大多数の国民はノルディック(Nordic)です。
ノルウェーの北部にはフィンマーク高原(Finnmark Plateau)が広がり、そこにはサーミ(Sami)とかラップ( Lapps)と呼ばれる先住民族が住んでいます。サーミ民族は、スウェーデンやフィンランド、ロシアのコラ半島(Kola Peninsula)にもまたがっています。 主として林業や漁業、皮革業などですが、カリブー(caribou)やトナカイ(reindeer)の遊牧業も盛んです。サーミ民族は、北ヨーロッパ系の特徴である金髪で碧眼のゲルマン系といわれます。