ヨーロッパの小国の旅 その二十九 ノルウェーとアムンゼン

スカンジナビア半島(Scandinavian peninsula)の西に位置するのがノルウェー(Norway)です。私にとってのノルウェーという国は、二つの思い出があります。第一は、中学生のときに、探検家アムンゼン(Roald Amundsen)の南極探検記を読んだことです。イギリス海軍のスコット(Robert Scott)と人類初の南極点到達を競います。

Roald Amundsen

南極点一番乗りを目指す「世紀の大レース」は、1911年12月に犬ゾリを駆使したアムンゼン隊の勝利に終わります。スコット隊が極点に到着すると、そこにはノルウェーの国旗が立てられ、極点から3km程離れた場所にテントが設営され、食料や防寒具、そしてメモが置かれていたといわれます。

その帰途、スコット隊は全員が死亡します。南極点でアムンゼン隊が残したメモを所持していました。このメモは、アムンゼン隊が帰途に全員遭難死した場合に備え、到達証明書として持ち帰ることを依頼し書かれたものでした。スコット隊がメモを所持していたことにより、アムンゼンの南極点到達は証明されます。「自らの敗北証明を持ち帰ろうとした」としてスコット隊の名声は後に高まるのです。

ノルウェーについての第二の思い出は、1965年に神戸にある西日本福音ルーテル教会にて3ヶ月聖書を勉強したときです。その時、この教会はノルウェー・ルーテル伝道会(Norwegian Lutheran Mission)によって設立されたことを知りました。伝道会は1949年に日本での宣教を始めるのです。ノルウェーからの宣教師は、戦前は中国大陸で宣教活動をしていましたが、国共内戦により引き揚げを余儀なくされ、日本にやってくるのです。その宣教の拠点は西日本の岡山、鳥取、島根、兵庫といった地域です。

Robert Scott, left

ノルウェー・ルーテル伝道会とは、18世紀にノルウェーの農民の子で商人であったハウゲ(Hans Nielsen Hauge)という人によって設立されます。当時、ハウゲは最大の福音伝道者であったといわれます。その教えの中心は霊的覚醒運動(Spiritual arousal)とか信仰復興(Norway Revival)ということです。後にオーレ・ハレスビー(Ole Hallesby)とかカール・ヴィスロフ(Carl Wisloff)といったルター派の神学者を生みます。二人ともナチス・ドイツに抵抗して職を追われたり投獄されたりします。