Last Updated on 2025年3月13日 by 成田滋
ホームスクール(HS)生への標準テストと評価に関する要件も州によって異なります。要件を緩和する一般的な傾向に従い、現在、テストや評価を義務付けている州は半数未満です。一部の州では、HS)の生徒は標準テストの結果を提出するか、資格のある教師による記述的な評価を受ける必要があります。他の州では、提出する評価の種類について保護者に幅広い自由を与えています。
カリフォルニア州を例に挙げますと、公立プログラムに登録されているHS生は、すべての公立学校の生徒が受けるのと同じ学年末の標準テストを受けることが推奨されています。家庭教師を利用しているHS生や、HSであるかどうかにかかわらず私立学校に在籍している生徒は、テストを受ける必要はありません。テキサス州も、公立学校以外の生徒に標準テストを義務付けておらず、そのようなテストがないことを理由に、教育委員会は高等教育への認定の賛否にすることができません。
認定とHSの卒業についても州によって違いがあります。HSを他の私立学校と同様に認定する州では、その州のすべての私立学校の卒業要件もHSに適用されます。一部の州の教育法には私立学校の卒業要件がなく、どの生徒が卒業要件を満たすかを決定するのは私立学校に任されています。それと同様にHSの生徒に同じ特権が与えられています。例えばテキサス州ではHS教育の修了は、公立または私立学校の卒業と同等とみなされます。
HSは、既存の教育形態の一選択肢としてますます認識されるようになり、裁判事例になることは少なくなっています。カリフォルニア州の教育長、デレイン・イーステン(Delaine Eastin)は、HSの受け入れが州内で進んでいること知りながら、HSは違法であり、家族が私立学校を自分で設立したり、資格なしで子どもを教えたりすることはできないと州議会に伝え、大騒ぎを引き起こしたことがあります。彼女は、HSが問題を拡大しているとして、立法による解決策を求めます。ですが議会は彼女の提案について慎重な態度を示します。その後、イースティンの後任となるジャック・オコンネルJ(ack O’Connel)lは、州法を見直すよう法務スタッフに指示します。
HS推進派は後に、州がイーステンの在任中にとった方針を覆したことを知らされます。親が自分の子どもを教えたり自分の私立学校を設立したりできないという声明は、州教育省のウェブサイトから削除されるのです。一部の役人は依然として伝統的な見解を維持していますが、カリフォルニア州での不登校に関する提訴は、イースティンが教育長であったときよりも遙かに少なくなっています。それ故に今日では、検察は今ではそのような訴訟を提起しないのが普通です。
カリキュラム
カリキュラムの要件もまた州によって異なります。一部の州では、ホームスクール(HS)にカリキュラムや授業計画に関する情報の提出を求めています。他の州,例えばテキサス州などでは、特定の科目をカバーしていることのみを求めており、カリキュラムの提出は求めていません。また、ノースカロライナ州などでは、HSを私立学校の一種とみなし、各HSに生徒に適したカリキュラムを選択する自由を与えています。包括的なカリキュラムは、さまざまな情報源から入手できますが、多くのHSの家庭では、必要な科目をカバーするためにさまざまなリソースを選んで利用しています。実際、HSの生徒が12年生を修了する前に、2年制または4年制の大学でいくつかの単位を取得することは珍しくありません。
一部の州では、公立学校のホームプログラム(public-school-at-home programs)を提供しています。これらのオンラインまたは仮想の公立学校、通常はチャーター スクールですが、 HSの主要な価値観を模倣しています。当然指導は従来の教室の外、通常は自宅で行われます。しかし、こうしたプログラムに参加する生徒は、まさに公立学校の生徒でもあります。親が子どもをこのようなプログラムに登録すると、まるでHSをしているように見えるかもしれません。
一部ですが公立学校のホームプログラムでは、カリキュラムの選択においてHSの親に自由が与えられています。他のプログラムでは特定のカリキュラムの使用が求められます。しかし、カリキュラムとプログラムに対する親または生徒の活用は、ホームスクールの大きな特徴となっています。納税者は、従来の公立学校の生徒と同様に、HSの生徒の書籍、教材、その他の必需品の提供費用を負担します。合衆国憲法における宗教教育援助禁止は、公立学校ホームプログラムに適用されるため、納税者のお金は宗教的な性質を持つカリキュラムの購入に利用することはできません。
リソースへのアクセス
少数の州では、公立学校がHSの生徒に、学校図書館、コンピュータ室、課外活動、さらには学術コースなどの学校区リソースへのアクセスを与えることを義務付けています。一部の地域では、HSの生徒は定期的に教師と面談し、カリキュラムの見直しや提案を行っています。また一部の州の法律では、学校区がHSの生徒にそのようなリソースを提供するオプションを与えています。
公立図書館はHSの促進にもなっています。図書館員は、インターネット アクセス、データベース アクセス、図書館間貸出資料など、HSに必要なリソースの活用を支援します。図書館員は、HSの利用者と頻繁に接触しているため、HS生の利用可能なリソースに関する新しい知識が得られるといわれています。
