Last Updated on 2025年4月10日 by 成田滋
2025年4月8日に発表されたUSニューズ&ワールド・レポート誌(US News & World Report) の2025年度優秀教育大学院ランキングによると、ウィスコンシン大学マディソン校(University of Wisconsin, Madison)は2年連続で全米トップの教育学部と評価されました。コロンビア大学ティーチャーズ・カレッジ(Teachers College, Columbia University)と並んでの1位です。
総合ランキングに加え、ウィスコンシン大学マディソン校教育学部の11の大学院プログラムも高い評価を受けました。カリキュラムと指導法(Curriculum and Instruction)、教育心理学(educational psychology)、リハビリテーションカウンセリング(rehabilitation counseling)の分野で第1位となっています。
ウィスコンシン大学のジェニファー・ムヌーキン(Jennifer Mnookin)学長は「この認定はウィスコンシン大学マディソン校は教育分野における卓越した学術研究の拠点として、全国的に高い評価を受けた証し」と述べています。彼女はさらに次のようにコメントしています。
「このランキングを誇りに思うと同時に、教育学部の教職員、学生、卒業生、そしてリーダーたちが卓越性と革新性へコミットメントし、永続的なパートナーシップを築けていることも誇りに思います。教育、研究、そして公共サービスにおける彼らの貢献は、ウィスコンシン州全体、そして全米の人々の生活を変え続けていきます。」
ウィスコンシン大学マディソン校の教育学部が2年連続で第1位にランクされたのは初めてですが、同学部は20年以上にわたり、全米トップクラスに常にランクされています。しかもUS Newsの過去26回のランキングのうち25回でトップ10にランクされており、さらに12年連続でトップ5にランクされています。教育学部長であるマルセル・ハディックス(Marcelle Haddix)は、「このランキングは学部全体で高く評価されているプログラムの幅広さと、教員、職員、学生、卒業生が行っている重要かつ優れた取り組みを反映している」と述べています。
「これらのランキングは本校の評価基準の一つに過ぎませんが、教育分野のみならず、あらゆる分野が直面する最重要課題への取り組みにおいて、全米をリードしていくという本校のコミットメントを裏付けるものです」とハディックス学部長は述べています。「ウィスコンシン州の教師不足を解消するための革新的なプログラムから、優れた学術的成果、質の高い研究、そして識字能力や生徒のメンタルヘルスといった重要な地域社会との連携に至るまで、本校はすべての人にとってより良い未来を築くことに尽力しています。」
US News誌は毎年、教育分野の大学院プログラムの 9 つの専門分野をランク付けしており、今年もウィスコンシン大学マディソン校教育学部のプログラムは 9 つの分野すべてで上位 15 位にランクされています。カリキュラムと指導法で第 1 位、教育心理学で第 1 位、初等教員教育で第 3 位、教育運営で第 4 位、教育政策で第 4 位、中等教員教育で第 4 位、特殊教育で第 6 位、学生カウンセリングで第 6 位、高等教育運営で第 11 位という具合です。
US News誌による優秀な健康プログラム(health programs) のランキングでは、ウィスコンシン大学マディソン校は、第 1 位のリハビリテーション・カウンセリングプログラム と、第 9 位の作業療法プログラム(occupational therapy) を擁しています。教育学部全体と同様に、教育心理学科は常に全米トップクラスにランクされています。2014年以来、今年で8年連続で教育心理学プログラムのトップにランクされました。
「この栄誉は、人間の行動、学習、そしてメンタルヘルスへの理解を深めるという私たちの取り組み、そしてそれらの研究成果をウィスコンシン州内外に共有するための高度なデータ分析ツールの活用を高く評価するものです」と、教育心理学科教授兼学科長のジェニファー・アスマス(Jennifer Asmus)は述べています。「このランキングは、私たちの教員が数十年にわたり、協力、奉仕、そしてコミュニティを真に重視した厳格で革新的、かつ影響力のある学術研究、メンターシップ(mentorship)、そして教育実践に取り組んできたことの証です。学生、教職員、そして卒業生全員が、共に協力することによってこの栄誉に浴したのです。」
カリキュラム・指導学科は、20年以上にわたり、毎年トップ5にランクされるカリキュラムを擁しています。そして、最新のランキングでは、2021年以来初めて1位に返り咲きました。「カリキュラム・指導学科は、学部生と大学院生に世界クラスのプログラムを提供し、教育、学習、そして学習のためのデザインに関する分野を定義する研究に長年取り組んできました」と、カリキュラム・指導学科の教授兼学科長であるリーマ・バーランド(Leema Berland) は述べています。同学科は、第3次初等教員養成プログラムと第4次中等教員養成プログラムも運営しています。バーランド学科長は、「これまでのような長年にわたる卓越した伝統を受け継ぐことを光栄に思う」と回想しています。
リハビリテーションカウンセリング(rehabilitation counseling)という健康専門分野は、US News誌によって毎年評価されているわけではありません。しかし、2016年以降、このカテゴリーがランキングされるたびに、ウィスコンシン大学マディソン校は1位を獲得しています。リハビリテーションカウンセリングの目標は、一般に障害や慢性疾患を抱える人々がカウンセリングとケースマネジメントを通じて人生の目標を達成できるように支援することです。
「この表彰は、私たちの社会で障害のある人々の働きを向上させるために、日々精力的に働く教職員、スタッフ、学生、卒業生の揺るぎない献身と卓越性を反映したものであり、光栄で感謝しています」と、リハビリテーション心理学・特殊教育学部の教授兼学部長であるキンバー・ウィルカーソン(Kimber Wilkersonは語っています。
ランキングの計算方法
US News誌は、ベスト教育大学院ランキングの調査方法について次のように紹介しています。「教育分野の大学院プログラムは、学生を大学、州政府、地方自治体、K-12学校、そして非営利団体におけるリーダーシップの役割をはたしているかどうかです。US News誌は教育学部を、研究活動、入学者の学業成績、教員のリソース、そして教育学部長や採用担当者によるプログラムの質に関する意見に基づいて評価しました。」
US News誌は、2025年版の教育大学院ランキングを作成するために、博士号を授与する476の機関にアンケート調査を実施しました。そのうち267機関から回答があり、統計データと評価データを収集しました。それによって各教育学部の総合ランキングを研究活動、すなわち研究費総額および教員一人当たりの平均研究費、同僚評価および教育専門家による評価、博士号取得者総数、教員対学生比率、受賞教員の割合、大学院学位取得者対教員比率といった教員リソース、学生の合格率という9つの明確なランキング要素に基づいて算出しました。
US News誌によると、教育プログラムの専門分野ランキングは、調査対象校のリストから教育学部の学部長および大学院学部長による推薦のみに基づいています。各専門分野から最大15のトッププログラムが選ばれ、同様に健康プログラム関連のランキングは、プログラムディレクターや健康分野の教員が提供した回答から決められました。
ウィスコンシン大学マディソン校教育学部は、長年にわたり優れた研究実績を誇り、同分野の関係者から高い評価を得ています。また、優秀な教員を採用し常に優秀な学生を惹きつけているのが特徴です。
