Last Updated on 2022年4月8日 by 成田滋
グアム(Guam)は、太平洋にあるマリアナ諸島南端の島でアメリカ合衆国の準州となっています。1898年のアメリカとスペインの間で勃発した米西戦争によって合衆国の海外領土となります。主都はアガーニャ(Hagatna)で、公用語は英語、チャモロ語です。
大航海時代の1521年に、ポルトガル出身のスペインの航海者マゼラン(Ferdinand Magellan)がヨーロッパ人として初めてグアム島に到着します。マゼランの探検は、ヨーロッパからアフリカ南岸を経てインドへ航海したポルトガル人ヴァスコ・ダ・ガマ(Vasco da Gam)の影響を受けています。ガマの大航海によってポルトガルは当時の海上帝国を築いたといわれます。
グアムの現地の人々、チャモロ族(Chamorro) は、約3500年前にグアムにやって来たようです。ミクロネシア(Micronesia)のマリアナ諸島(Mariana Islands)の先住民といわれます。スペインがグアムを植民地化したのは1668年です。16世紀から18世紀にかけてグアムは、大型帆船にとってスペインとフィリピンを結ぶ大事な寄港地となります。
1944年にアメリカ軍が日本軍を追放し、アメリカの統治化となります。それ以降、この島の経済は、巨大な空軍基地からの投資によって潤います。観光業、農業、漁業が主要な経済基盤ですが、近年は観光業が産業の大部分を占めています。
チャモロ文化の中にはチャモロ語の他、チャモロ料理、チャモロ音楽、チャモロダンスなどがありますが、代表的な遺物といえば「ラッテ・ストーン」(Latte Stones)です。グアムやサイパンなどの北マリアナ諸島に残されている巨大石柱群です。ラッテ・ストーンの遺跡が島々にあります。大昔、チャモロ族が柱の上に家を建て、そこを人々の集会所にしたという説や、人々の埋葬の場所としていたという説もあります。後者の証拠として、動物の骨、魚、壺などが発見されたことです。
チャモロ料理の代表的なものは、レッドライスやケラグエン(Shrimp Kelaguen)とか、ココナッツミルクを使った料理も多くあります。甘さ・辛さ・酸っぱさのいずれかが濃厚に現れているのがチャモロ料理の特徴です。大家族社会であるグアムでは、各料理は大量に作って各自で分ける大皿料理スタイルが主流となっています。バーベキューとともにローカルのパーティーには必ず登場するのが大皿料理です。
主都アガーニャには、チャモロ・ビレッジ(Chamorro Village) があります。チャモロ文化を紹介するために作られた街です。スペインの植民地時代に持ち込まれた赤レンガの屋根に白壁の建物が並び、チャモロ料理のお店やお土産物屋が揃っています。是非立ち寄りたいところです。
1972年1月に、28年間に及ぶグアム島のジャングルで生きていた横井庄一氏が発見されました。満57歳で日本に帰還したのは大きな話題となりました。