二文字熟語と取り組む その31 「蹉跌」

Last Updated on 2025年1月3日 by 成田滋

河内名所図会_蹉跎山天満宮
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「蹉」の音符は「差」で高低の違いがあり、蹉はものにつまずくことを表します。足と差から会意兼形声となり、ちぐはく、という意味となります。

「跌」は (1) ふみはずす、足をすべらす、(2) たがう、あやまつ、道理からそれる、という二つの意味がああります。 「蹉」も「跌」も同義語という「言葉の仲間」であります。

「蹉跌」(さだ)はつまずく意から物事がうまく進まず、しくじることを表します。挫折。失敗。「計画に蹉跌をきたす失敗し行きづまることです。「蹉跌」には、時を失うとか不幸になるという意味もあります。なかなか難しい語です。

かつて大阪府北河内郡に蹉跎村というところがあったようです。どうしてこの町名がなくなったのかはわかりませんが、「蹉」と「跎」の字訓を調べたのだろうと推察されます。ですが珍しい地名が消えるのは少々寂しい気分になります。先達がどんないきさつで蹉跎村と命名したのかという考証が必要ではなかったでしょうか。ただ、今も枚方市立蹉跎小学校があるのは嬉しいことです。