Last Updated on 2016年3月7日 by 成田滋
山よ お前のふところは 山の男のふるさとよ
うれしい時は山へ行く さびしくなれば尾根歩き
満天の星 凍る夜気、山々はくろぐろと雪に埋もれた小屋を包む (山の歌から)
今も登山ブームが続きます。北アルプスは特に人気があるようです。山ボーイとか山ガールには60歳〜70歳台の人達も多く、遭難者全体の中で35%も占めているといわれます。ヘリと山岳救助隊員の活躍も残念ながら報道されます
長野県警察のサイトを見ますと、滑落や冬山遭難の事例が掲載されています。バックカントリーやスキー場コース外の滑走で、道に迷う遭難が多発しています。冬季の単独登山は、ルート判断を一人で行うだけでなく、体調不良や負傷、気象が急変するなどのトラブルが発生したら大変です。パーティを組んだ登山より危険のリスクが高まります。私は冬山登山はしません。体力と気力が萎えています。
1959年に長野県警察は遭難者の遺族たちのメモを集めた「山に祈る―遭難者の母親らの手記」という小冊子を発行して遭難防止を訴えました。 折しもこの頃は安保闘争などで世の中が騒然としていた時です。激しい政争の中で多くの若者が登山に出掛け、憩いを求めたようです。9ヶ月の短い間に3件の事故で4人の若者が命を落とします。何れも墜落事故といわれます。
合唱組曲「山に祈る」の作曲は清水脩。一遭難者が書き残した最後の手記と、我が子を亡くした母の悲しみを、母の朗読と合唱歌で綴っています。清水は「親しみやすく誰もが口ずさめる平易な旋律を心掛けた」と回想しています。
主人公の元気な姿から死にいたる筋に合わせて、明るい曲調から次第に暗い曲調へと移っていきます。
手の指、凍傷で、思うことの千分の一も書けず。
全身ふるえ、ねむい。なぜ 山へ登るのか、山がそこにあるから。
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清水脩