行動科学における単一事例実験法と外的妥当性

単行動科学の単一事例研究における外的妥当性(external validity) とは、「その研究で得られた結果が、他の人・状況・時間・行動にもどの程度一般化できるか」を指す。外的妥当性は被験者のグル ープに対する刺激提示 条件を伴う実験における発見の一般化、普遍化 にかかわることである。実験上性格から単一事例実験における外的妥当性の問題は重要である。被験者を無作為に抽出することが無意味であるばかりでなく、刺激状況設定が数限りない可能性から生れること、さらに被験者内の外的妥 当性を考慮にいれることが不可能であることである.

別の見方をすれば外的妥当性の要件は、刺激の效果や影響がどのような重要性を有するかにあるともいえる (Kazdin, 1977)。例えば、治療教育における最も大きい関心は行動上の変化が被験者の生活においてはたして有意であるかということであるが、 この場合の有意とはその変化が顕著であって統計的な検定を必要としないことである (Kazdin, 1977)。

最近の研究では、治療上の有意を教育的処遇との関遠で問題にするときの基準とはなにかが盛んに論議されている。単なる変化や変容を指摘するだけでなく、ある処遇がその被験者にとって質的な変容がもたらしたか否か、能力的な側面からみて社会が求める基準的レベ ルに達するかどうかが問題にされる。教育的処遇の効果をどのように評価するかによって、いろいろな臨床的有意の基準が提案されている。一つは実験的基準ということで、処遇が行動にどのような変容をもたらしたかにかかわるのである。もう一つは臨床的基準であって行動上の変容が社会的に、あるいはその被験者の日常生活上,意味あるものかにかかわるかである。この基準の設定は容易ではない。というのは、臨床的基準を満たしたかどうかの判断は行動の変容がいまだ偏っているか、あるいは許容されうる範囲であるかの解釈にかかっているからである。

実験的基準は多くの場合、被験者中心の行動の評価ということである。すなわち、ベースライ ンと処遇のフェーズに明らかな違いがあるかどうかである。評価基準は、実験者があらかじめ設定する。行動の変容がベースラインとは反対の方向に向かう、あるいは、明白な違いがグラフ上にあらわれている、などの場合である。また,統計的有意が二つのフェーズに見出される場合も含まれる。

他方、臨床的基準には主観的評価と基準的評価がある。主観的評価は家族、教師 、友達など該験者の身の回りの者によってなさ れ、 行動上になんらかの変化がみられるかどうかが報告されることである。被験者を取り巻く者の観察はもちろん大事なことには違いないが、それだけに依存することも危険である。例えば静かに椅子に坐る行動は、なにかを学習する際の前段階行為と考えられ、教師にとっては望ましい態度にはちがいないが、静かに坐れるようになることが成績を向上させることには必ずしも結びつかないことがわかっている。むしろ、何かを学ぶことによって、静かに坐ることが多くなるということが少しづつ判明している事実があるので、主観的評価の意味は薄れる(Kazdin, 1977)。.

基準的評価は主観的評価よりも厳しく、その被験者の属するグループの規範、社会的に期待される基準にそった行動ができるかとい うことで ある。しかし、この基準は通常、実験ではあまり採用されない。子どもの障害の程度に照らして、むしろ不適切なことが多い。障害が重い場合はなおさら言えることである。

参考文献
Kazdin, A.E.(1977). Assessing the Clinical or Applied lmportance of Behavior Change Through Social Validation.Behavior Modification , 4. 427−451. importance

綜合的な教育支援の広場

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