心に残る名曲 その百八十六  ムソルグスキー 「展覧会の絵」

Last Updated on 2019年2月9日 by 成田滋

ロシアの作曲家ムソルグスキー(Modest Musorgskii)はロシア国民楽派五人組の一人ロシアといわれます。地主の子として生まれ,軍人を志して陸軍士官候補生となりますが、1858年に退役します。そしてバラキレフ(Mily Balakirev)に師事して作曲法を学びます。

Modest Musorgskii

この頃のロシアですが、1861年の農奴解放令により身分的規制は解消されたにみえますが、土地取得は有償のままでした。そのため農民の大半は債務を負って地主に対する隷属が強められ,また離村して都市労働者となるものも多かったといわれます。農村や農民は疲弊します。帝政末期が近づき革命が迫る頃です。

農奴解放による経済的打撃で、ムソルグスキーは1863年より官吏となりますが、飲酒癖から健康を害しながらも作曲を続け,ピアノ曲,交響曲,オペラ,歌曲などを作曲します。ロシア固有の旋法や大胆な和声,変則的なリズムを豊富に使った独自なスタイルは,印象派のドビュッシー(Claude Debussy)をはじめ,近代音楽の作風に大きな影響を与えたといわれます。主な作品はオペラ「ボリス・ゴドゥノフ」(Boris Godunov),交響組曲「展覧会の絵」(Pictures at an Exhibition)、その他交響詩「はげ山の一夜」(Night on Bald Mountain) ,歌曲集「子供部屋」(The Nursery, The Cycle of Songs)などで知られています。

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