心に残る名曲 その百八十八 ベートーヴェン ピアノ協奏曲第五番「皇帝」

Last Updated on 2019年2月12日 by 成田滋

Krystian Zimermanのピアノ、ウィーンフィル(Wiener Philharmoniker)の演奏、Leonard Bernsteinの指揮によるピアノ協奏曲第五番「皇帝」(The Emperor Concerto) は、聴いていて誠にしびれを感じるようです。この演奏を生で聴いた人は幸いなるか、といいたいほどです。

この曲名「皇帝」とは、もちろんナポレオン(Napoleon Bonaparte)を指すと思われます。しかし、ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven)はドイツ人ですから、どのような心境でこの曲を作ったのかは興味あることです。Emperorという響きからベートーヴェンは、彼なりに英雄としてのナポレオンに敬意を表していたのではないかと想像できます。

Krystian Zimerman

第1楽章はアレグロ(Allegr)変ホ長調で、独奏協奏曲式ソナタ形式です。驚くことに、いきなりピアノの独奏で始まります。このような出だしは他に知りません。展開部は木管が第1主題を奏して始まり、豪快に協奏しながら第1主題を中心に展開してゆきます。

第2楽章はアダージョポオモッソ(Adagio un poco mosso)と付けられ、穏やかな旋律が響きます。全体は3部からなっており、第3部は第1部の変奏となっています。章の最後で次の楽章の主題を変ホ長調で予告するかのようで、そのまま続けて3楽章に流れていきます。

Leonard Bernstein

最終楽章はロンドアレグロ(Rondo Allegro)といわれ、ソナタ形式で快活なリズムで始まります。ホルンの通奏低音が入り、終わり近くでティンパニが同音で伴奏する中で、ピアノが静まっていきます。

コメントを残す