心に残る名曲  その百三十六 スメタナ 「わが祖国」

Last Updated on 2018年12月10日 by shino

スメタナ(Bedrich Smetana)のことについては、「心に残る名曲 その二十四」で少し触れました。彼はチェコ(Czecho)のボヘミア(Bohemia)地方で生まれます。チェコは長らくオーストリア帝国(Austrian Empire)の支配下に置かれていました。スメタナは、チェコの民族主義と独立への願望をかき立て国民楽派という音楽運動を発展させた先駆者です。それ故にチェコ音楽の祖とみなされています。

BEDRICH SMETANA Bedrich Smetana 2 March 1824 – 12 May 1884 Czech composer Credit: Peter Joslin / ArenaPAL

スメタナは1856年から1861年まで、ボヘミアを離れてスウェーデン(Sweeden)のヨーテボリ(Gothenburg)でピアニストおよび指揮者として活動します。やがて代表作となる「わが祖国」(My Country)を1874年から1879年にかけて作曲します。この曲は6つの交響詩です。第1曲「ヴィシェフラド」(Vysehrad)、そして第2曲「モルダウ」(The Moldau)が特に著名です。ヴィシェフラドは、プラハ(Prague)にある丘の城跡のことです。モルダウ川は源流からプラハ市内へと続く重要な川です。上流から下流への情景やプラハの風景が鮮明に描写されています。

モルダウ川とカレル橋

  「モルダウ」の印象です。山奥深い水源から雪が溶けて水が集まっていき、森を抜け、そして角笛が響き渡り、村の結婚式の傍を行き過ぎていきます。徐々に水量が増えていき、プラハ市内を悠然と流れ、カレル橋(Karel)のたもとにきます。勇壮な古城を讃えるように華やかな演奏が続きます。親しみやすい旋律が12分間も続きます。チェコの指揮者、ラファエル・クーベリク(Rafael Kubelík)のチェコ・フィルによる演奏は聞き応えがあります。スメタナはオペラ「売られた花嫁」、「弦楽四重奏曲第1番 」などでも知られています。





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