イスタンブルとソフィアの旅から その20 リラ修道院 その4 色彩の競演

Last Updated on 2019年10月4日 by 成田滋

リラ修道院は海抜1,100mのところにあります。空を仰ぐとバルカン半島の峰で既に雪をかぶった標高2,729mとあるマリョヴィツァ山(Malyovitsa)が遠望できます。丁度、季節は紅葉の真っ最中。青い空、白い峰々、縞模様のアーチ型をした修道院の回廊や教会の柱や壁の白と黒。そしてフレスコ画。こうした素晴らしい色の競演をよそに、僧院は静かなたたずまいをみせています。

修道院に関して、前回イコンで飾られたイコノスタシスという壁のことを記しました。この壁は「聖障」と呼ばれています。聖所と至聖所を区切るのが聖障でです。聖所は礼拝堂内のことで、信者や観光客が案内されるところです。だが至聖所の中は見ることも入ることもできません。至聖所は天国をあらわすというのだそうです。リラ修道院を見学するのに拝観料はありません。だがいくばくかの献金(喜捨)をするのがマナーというものです。

修道院内にも宿坊があり、観光客は宿泊できます。一泊40〜45レフですから3,000円くらい。修道院の裏側に数件のホテルとレストランがあります。レストランは屋外テラスで暖かい日差しを受けながら食事を楽しむことができます。名物はこの地方の特産、鱒料理です。薄切りレモンが添えられ焼かれた大きな鱒がでてきます。それにワインを注文して賞味するのはなんともいえない気分になります。ワインはキリストの血を象徴するものです。