Chat GPTが作った論文抄録の例

Last Updated on 2025年3月19日 by 成田滋

私は、1986年8月に九州大学おいて開かれた日本教育心理学会で一研究を発表しました。発表題名は「特殊教育における単一事例実験法と統計的ー臨床的有意に関する問題」という少々長いものでした。この論文を、今盛んに注目されているChat GPTで抄録を作らせてみようと考えました。

 Chat GPT(Generative Pre-trained Transformer)とは、大規模言語モデル(Large language Models : LLM)を用いて、人間が使う自然言語に近い応答を生み出す生成AI技術を使ったチャットシステムのことです。LLMとは、「大量のデータとディープラーニング(深層学習)の技術によって構築された言語モデル」と呼ばれています。今回使ったのはOpenAI社によって開発された「Chat GPT-3」というモデルです。

ChaatGPT ロゴ

 今回Chat GPTで要約させようとした論文はA4で二枚の短い論文です。Chat GPTは次のような抄録を提示してきました。文章は全く校正せず、原文のままです。



 Chat GPTが生成したこの抄録は、全体的に極めて正確なものです。構文にも誤りはありません。それでも、いくつか課題を指摘するとすれば、被験者の記述がないこと、口語体と文語体が末尾にいくつか混在しているこ、論文を文書と呼んでいることなどです。私の長男も勤務する大学の助教授らの終身在職権であるテニュア(tenure)の審査にあたって推薦文を作り、その後Chat GPTを使い構文や文法などの間違いを直しているとのことです。

 今やAI技術は進化してあらゆる分野に活用されつつあります。中国も人工知能(AI)のディープシーク(DeepSeek)が金融取引の分析から求人候補者の選定まで、人々のライフスタイルを変えていると報じられています。文学の世界も、AI技術によって作品を生成する時代がすぐそこにきています。

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