アメリカの州鳥 その44 ミズーリ州の鳥: ルリツグミ

Last Updated on 2020年11月10日 by 成田滋

ミズーリ州(Missouri)のニックネームは「Show Me State」となっています。このフレーズが車のナンバープレートに書かれてあります。これは、「俺は疑い深いのだ、証拠を見せてくれ」という意味です。少々のことでは納得しない(Defiant)、という気概が感じられます。ミズーリ州や周辺の州は、トランプ大統領の岩盤支持層といわれ、バイブルベルト(Bible Belt)と呼ばれています。社会的には保守的であり、カトリック、福音系(Evangerical)や南部バプテスト系(Southern Baptist)など正統派(Orthdox)のキリスト教徒の多い州で、キリスト教や聖書をめぐる論争が続いています。

ミーズリは、合衆国中西部のミシシッピー川沿いの内陸にあります。8つの州にまたがるところでもあります。州都はジェファーソン・シティ(Jefferson City)。同州を代表する都市はなんといってもセントルイス(St.Louis)です。ミシシッピ川に面するこの町は、開拓時代より西部への玄関口として発展し、現在では中西部きっての観光地となっています。セントルイス市内には「Gateway Arch」アーチがそびえています。頂上からの眺めは、ミシシッピー川をはさんで360度の景色が楽しめます。ここには、Gateway Archが建設される様子の資料が展示されています。あの壮麗なアーチが出来上がる様をつぶさに映像で説明しています。

Eastern Bluebird

もともとの開拓には、フランスから移民としてやってきて、カナダでフランス植民地をつくった人々がミズーリにやってきたとあります。そのせいか、フランスの苗字が目立ちます。ミズーリ州は、大理石の生産で知られています。その他、鉛、石炭、採石が生産されています。ミズーリ川とミシシッピー川がこうした資源を運ぶ大動脈となっています。川には大小多くのバージ(barge)と呼ばれる運搬船が往来しています。

ミズーリの主要産業は、航空宇宙産業、輸送設備、食品加工、化学工業、印刷/出版、電気設備、製造業など多彩です。農業生産品は、牛肉、大豆、豚肉、乳製品、干し草、トウモロコシ、ニワトリなどの家禽、及び 鶏卵です。特に豚や牛の生産が盛んです。近年はワイン産業の育成にも州は力を入れています。

州鳥はルリツグミ(Eastern Bluebird)です。日本では、青といわずに「瑠璃」といいます。信号では、緑でも青と表現するのが特徴です。緑色のものを「青」と呼ぶ習慣が根強いからです。外国ではこのような呼び名と意味の使い分けはありません。ルリツグミは、春を告げる鳥として好まれてもいます。日本では春告げ鳥はウグイスといわれます。英語では、「warbler」とか「Japanese nightingale」となっています。