アメリカの州鳥 その1 アメリカの州の歴史

Last Updated on 2020年9月14日 by 成田滋

Cardinal

今回から50回にわたって「アメリカの州鳥」という話題を取り上げることにします。私もウィスコンシンなどで色々な鳥を見てきました。四季とりどりの鳥がいて、それが毎日のように本当に身近で見られることです。日本で見かけたことがない鳥も見ました。アメリカ大陸は広いので珍しい鳥がいます。雪解けになると南から北へむかって大群で雁(geese)が飛翔していきます。秋になるとその反対に大群が南に向かいます。群れが毎日何度も何度も上空を飛んでいくのです。季節を感じる風物詩です。

州鳥に触れていく前にアメリカの州の特徴を述べておきます。現在のアメリカは50の州から成ります。それで合衆国と呼ばれています。州はそれぞれの憲法を有していて、自治を有しいわば小さな国家のような形態をとっています。子ども達はアメリカの独立にいたる歴史を必ず学校で習います。そこで学ぶ大事なことは、アメリカの特徴の一つが多民族国家ということです。なぜ多民族国家となっていったかは、植民地時代の「開拓」によって、ヨーロッパ諸国からいろいろな人々が移民してきたこと、黒人奴隷が連れてこられたこと、アジアの国々から移民がやってきたこと、そして原住民(native american)から構成されているからです。

連邦議事堂 Capitol

まずヴァージニア(Virginia)やカロライナ(Carolina)にはイギリス人(England)が、ルイジアナ(Lousiana)にはフランス人が(French-Lousiana)植民地を築くなど、この開拓は主にイギリス人とフランス人2つの民族によって行われます。大西洋東海岸のニューヨーク(New York)やニュージャージー(New Jersey)にはオランダ人(Netherland) が、デラウェア(Delaware)にはスウェーデン人(New Sweden)が、フロリダ(Florida)にはスペイン人(Spanish) が、それぞれにアメリカ大陸に植民地を築いていきます。こうして、アメリカ東部には、すでに17世紀半ばに現在のアメリカ文化となっていく欧米文化が移植されていたのです。

アメリカの歴史における宗教の多様性に関する簡単な歴史です。当初の移民はフランスやスペインなどからのカトリック(Catholic)教徒でありましたが、16世紀にヨーロッパでプロテスタント(新教徒)が勃興し、カトリック教会に対する抵抗の宗教改革運動へ発展していきます。続いて宗教戦争が起こり、カトリック教会からの迫害がおこると、清教徒(Puritan)による1620年のメイフラワー号(Mayflower) のマサチューセッツ(Massachusetts)のプリマス(Plymouth)への移民をきっかけとして、新天地を求めた新教徒が相次いで入植します。こうしてカトリックとプロテスタントが共存していくのです。