世界を旅する その十 ポーランド人の移民

私がウィスコンシン(Wisconsin)の州都マディソンに住んでいたとき、ポーランドの地名や市町村名が地図に沢山あることに気がつきました。その代表はPoland, ワルシャワ(Wausau)、ワーケシャ(Wauksha), ワーパカ(Waupaca)、ワーノキ(Waunakee)、ワートマ(Wautoma)、ポーテジ(Portage)といった町です。

1900年代のStevens Point

1857年に最初のポーランド人がウィスコンシン州の東部から中西部にかけて移植してきます。南北戦争が始まる以前です。ウィスコンシンで最初のポーランド人コミュニティが形成されたところがポーテジとかスティーブンスポイント(Stevens Point)です。その定住地、コロニーは「Polonia」と呼ばれます。

ウィスコンシン州にやってきたポーランド人は、ポーランドの西部地方である「Kaszuby」付近からやってきたといわれます。「Kaszuby」はバルト海(Baltic Sea)に面するグダンスク(Gdansk)のあたりです。ウィスコンシンを選んだのは、気候や土地が母国と似通っていたことが主たる理由です。ポーテジ郡のあたりには、ドイツやアイルランドの移民もすでにいて、農地に適した肥沃な土地はすでに耕されていたようです。ポーランド人は、氷河が残した岩や石が混ざる土地を選ばざるをえませんでした。農地の開墾は、岩や石を取り除く作業から始まります。やがて、教会堂や学校をつくっていくのです。