世界を旅する その三 ポーランドと日本 コペルニクスと地動説

ポーランドが輩出した科学者で右の横綱といえばコペルニクス(Nicolaus Copernicus)、左の横綱はキューリ夫人(Maria Curie)でしょう。カトリック教会が支配していた宇宙論は、もちろん天動説(Ptolemaic theory)です。地球が宇宙の中心に位置するという説です。それを覆す地動説(Geodynamic theory)を提唱したのがコペルニクスです。

コペルニクスの地動説は、宇宙は神聖かつ普遍であって、生成消滅するこの世の世界とは本質的に異なるという考え方です。当時、神学や哲学、さらには常識の根底にまで浸み込んだ天動説に真向から対立するものでした。

当時の神学者らは、観測事実を証明するのに不自然な手練手管を使っていたようです。そうした状態に疑問を抱いていた天文学者がいたのです。而、実用天文学上の観点からも根本的に変える考え方が醸成していたといわれます。「コペルニクス的転回」という言葉があります。 見方や考え方が正反対に変わることのたとえのことです。この言葉を使ったのがドイツの哲学者、カント(Immanuel Kant)です。