キリスト教音楽を別な角度から分類するとすれば、カトリック教会(Catholic)系、東方教会(Eastern Christianity)系の音楽とプロテスタント教会(Protestant)系音楽ということになります。東方教会の別の呼び名は正教会(Orthodox Church)、あるいはギリシャ正教会(Greek Orthodox Church)ともいわれます。
カトリック教会は、必ずしもその名称や理念が示すように普遍的とか全人類的というものではありません。例えば、1962年から1965年に開かれた第2バチカン公会議(Concilium Vaticanum Secundum))は、公会議史上初めて世界5大陸から参加者が集まり、ようやく普遍公会議というにふさわしいものになったといわれるくらいです。この公会議の大きなテーマは、カトリック教会の教義における現代化とか改革といわれます。
プロテスタント教会は宗教改革やルター派、英国国教会、カルヴァン主義諸派(長老派、改革派、会衆派)、メソジスト派、パブテスト派、自由教会各派(フレンド派、キリストの教会、ホーリネス派、救世軍、ピューリタン派)などがあります。モルモン教会は新興の教会です。以上の教会の英語名は次のようになります。少々退屈な説明となりますが、ご勘弁を。
ルター派(Lutheran)
英国国教会(Church of England)
カルヴァン主義諸派(Calvinism)
長老派(Presbyterian)
改革派(Reformed)
会衆派(Congregational)
メソジスト派(Methodist)
パブテスト派(Baptist)
自由教会各派(Free Church)
フレンド派(Friend)
キリストの教会(Church of Christ)
ホーリネス派(Holiness Church)
救世軍(Salvation Army)
ピューリタン派(Puritan)
独立教会(Independent)
モルモン教会(Church of Jesus Christ of Latter-day Saints)
ともあれ、カトリック教会は、東方諸教会やプロテスタント教会との合同礼拝や一致(Ecumenism)といったことを促進しています。キリスト教を含む諸宗教間の対話と協力を目指す運動が「Ecumenism」ということです。カトリック教会は、世界的にみて教会音楽の世界でも中心的な役割を果たしているといえましょう。