心に残る名曲 その百七十三  ボブ・ディラン 「風に吹かれて」

2016年10月、「アメリカ音楽の伝統を継承しつつ、新たな詩的表現を生み出した功績」を評価され、歌手としては初めてノーベル文学賞したのがボブ・ディラン(Bob Dylan)です。1941年5月、ミネソタ州の北にあるダルース(Duluth) で生まれます。アシュケナージ系(Ashkenazim)で旧姓はロバート・ツィマーマン(Robert Allen Zimmerman)といいました。1959年9月、奨学金を得てミネソタ大学に入学するも半年後には授業に出席しなくなります。ミネアポリス(Minneapolis)でフォーク・シンガーとしての活動を始め、この時にボブ・ディラン(Bob Dylan)と名乗り始めます。

風に吹かれて」(Blowing in the wind)、「時代は変る」(The Times They Are a-Changin)、「ミスター・タンブリン・マン」(Mr. Tambourine Man)、「ライク・ア・ローリング・ストーン」(Like a Rolling Stones)、「見張塔からずっと」(All Along the Watchtower)「天国への扉」(Knockin’ on Heaven’s Door) 他多数の楽曲により、1962年のレコードデビュー以来半世紀以上にわたり多大な影響を人々に与えてきました。現在でも、「ネヴァー・エンディング・ツアー」(Never ending tour)と呼ばれる年間100公演ほどのライブ活動を中心にして活躍しています。グラミー賞やアカデミー賞をはじめ数々の賞を受賞し、ロックの殿堂入りも果たしています。また2008年にはピューリッツァー賞特別賞を受賞し、長年の活動により2012年に大統領自由勲章を受章します。そうした名声の陰でディランは云います。

「大衆文化は多くの場合、短い時間ですたれる。葬り去られる。ぼくは、レンブラントの絵画と肩を並べるようなことをしたかった。だが、真似をするだけでは駄目だ。誰かの作品が好きならば、その人が接してきたあらゆるものに接することが大切だ。シンガーソングライターになりたい者はできるだけ、たくさんのフォークミュージックを聴いて100年前から続く音楽の形態や構造を学んだほうがいい。ぼくはスティーブン・フォスター(Steven Foster)までさかのぼる」

Joan Baez & Bob Dylan

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