ヨセミテ峡谷(Yosemite Valley)は、狭い地域に多数の滝が集まっているのが特徴です。なぜか滝は人々を惹き付けます。生き物のような姿だからでしょうか。
この峡谷はもとはといえば氷河でした。すり鉢のような渓谷です。そのため急峻な崖、氷河の段差、氷河の本流に向かって落ち込んでいる支流の谷などが多いのです。雪解けの4月から6月にかけては滝が生まれる条件が揃っていて、観光客を楽しませてくれます。
ヨセミテ渓谷にある739メートルのヨセミテ滝(Yosemite Fall)は、北アメリカで最も高い滝です。二つの滝からなり、Upper Yosemite Fall は436メートル、Lower Yosemite Fallは98メートルとあります。同じくこの渓谷にあるリボン滝(Ribbon Fall)は、落差は491メートルです、水が一気に垂直に落下する距離においては最も高い滝です。エルキャピタンの西にあり、落ち口はヨセミテ滝よりも60m高い所にあります。しかしこの滝の寿命は短く、たいてい7月上旬までには干上がるといわれます。
ヨセミテ渓谷の中でも有名なのが、ワウォナ(Wawona)トンネルの東出口のトンネル・ビューポイント(Tunnel Viewpoint9から見えるブライダルベール滝(Bridalveil Fall)です。落差188メートル で、1年中水が流れています。そのほか公園内には一時的に生まれて消える滝が何百とあるとパンフレットにあります。幻の滝というわけです。
ヨセミテ渓谷に住んでいたのは、アワネーチー族(The Ahwahneechee)という原住民です。人々は滝を意味する”Cholock”という表現を使っていました。アワネーチー族の一つの伝承(Ahwahneechee Legend)があります。滝壺にはいくつかの悪霊が住んでいて、Polotiと呼んでいました。あるときアワネーチーの女が川に水を汲みに行ったとき、悪霊がいるという滝壺の辺りに入り一匹の蛇を捕まえます。その夜、女の住む家がつむじ風で滝壺に巻き込まれ、女と乳飲み子も呑み込まれたということです。
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