素人のラテン語 その七 論文などで使われるラテン語

数回前に、「日常使われるラテン語」を簡単に紹介しました。それに付け加えたいラテン語のことです。特に研究職探しや研究論文などで使われるラテン語です。

履歴書のことを略して”CVーcurriculum vitae”といいます。単に”vitae”というようにも使われます。このラテン語は、”the course of my life”という意味となります。学歴・職歴・資格などを網羅し大学志願や職探しに”CV”はなくてはならぬ書類です。このように口語では略して言うことが圧倒的に多いです。

学問研究では、物事の研究方法論として使われるのがラテン語です。“a posteriori“は帰納的なとか後天的なという意味です。経験や実験によって仮説を検証するやり方です。”a” はラテン語で「~へ・の状態で」の意味で、”posteriori” は「後から」ということです。

他方、“a priori“というのは、演繹的とか先験的という意味です。「はじめに言葉があった」とか「はじめに神が存在した」というテーゼから万物の創造を考えるといった方法のことです。”priori ”は「前から」という意味のラテン語です。

“bona fide“ 真実の、誠意ある、合法的な、という意味となっています。”bona” はラテン語で「良い」の意味で、”fide” は「信念に(から)」(= faith) の意味。例文として、”bona fide proposal”とは「誠意ある提案」となります。

“ibidem“とは、前掲引用箇所を示す語です。ラテン語で「同じ場所で」の意味で、すでに引用した書名などの繰り返しを避けるときに使います。通常、論文内では “ibid.“、“ib.“ などと略語で表記するのが一般です。

“i.e.“もしばしば論文などで見られます。ラテン語の “id est” は英語の “that is to say” という意味で「すなわち」をあらわします。一度述べたことを言い換える場合に使われたりするとても目にする略語です。“&“は”ampersand”、アンパサンドといわれ、”and”という意味で使われます。