北海道とスコットランド その18 スコットランド人の宗教 その1 長老派教会と宗教改革

仏教にいろいろな派があるように、キリスト教にもさまざまな教派(synod)がある。教派とは集まり(assembly)とか集会(meeting)という意味である。誰が教義をどこで広く宣布したかによっていくつもの組織ができた。そのため教派によって教義や強調点が違う。ルーテル教会、改革派教会、バプテスト教会、聖公会など微妙に教義や典礼が違う。

スコットランドの教会は伝統的に長老派教会(Presbyterian Church)である。長老派教会は新教の一つ、カトリックと相対する一派である。聖職者と信徒の代表である長老とが共同で教会を運営する仕組みである。長老は会衆によって選ばれた教会役員といってもよい。この制度は、各教区や各地の教会の代表が地域ごと、地方ごと、そして国全体で集まりその合議によって自律的に教会を運営していくというものである。長老とは年寄りのことではない。

本日10月31日は宗教改革記念日といわれる。神学者でもない自分だが、学んできた宗教改革の歴史を語ると長くなる。要は、それまで長い間、世界の政治と宗教を支配していたローマカトリック教会やローマ教皇が伝統的に保持してきた神学に異議を唱え、そこから新しい教会運動が起こった日である。その中心はマルチン・ルター(Martin Luther)であり、ジャン・カルヴァン(Jean Calvin)である。スコットランド人の信仰はこの宗教改革に依るところ大きい。

スコットランドの宗教改革に最も貢献したのはジョン・ノックス(John Knox)といわれる。1560年にスコットランド議会は、それまでのカトリック教会とそれを支える法を無効とし、カルヴァン主義(Calvinism)を基調とする信仰告白であるスコットランド信条(Scottish Confession)を採択した。スコットランドの信仰告白とは、キリストが唯一の教会の頭であり、「信仰義認」、そして万人祭司というものである。善行によって神は人を義とするというのではなく、信仰によってのみ人は義とされるというのが信仰義認である。

Luther Martin Luther

john-calvin  Jean Cavin

コメントを残す