北海道とスコットランド その6  スコットランド人と北海道の開拓 その1 エドウィン・ダン

北海道開拓の歴史にもスコットランド人が貢献したことを忘れてはならない。その一人がエドウィン・ダン(Edwin Dun)である。

ダンもまた明治期のお雇い外国人の一人。獣医師であり畜産や肉の加工などで多くの弟子を養成したといわれる。ダンの両親はスコットランド人で、アメリカのオハイオ州に移民しそこで酪農を始める。同州オックスフォード市(Oxford)にあるマイアミ大学(Miami University)を卒業後、父の経営する牧場で牧畜全般の経験を積み、さらに叔父の牧場で競走馬と肉牛の育成法を学ぶ。

1873年に明治政府との間で1年間の雇用契約を結び北海道にやってくる。技術指導者として、また獣医として畜産状の技術指導にあたる。札幌西部に牧羊場を、真駒内に牧牛場を開設し、バター、チーズ、練乳の製造およびハムやソーセージの加工技術を指導した。

競走馬の養成にも力を注ぎ、日高の新冠牧場では最高千数百頭もの馬が飼育されたといわれる。種馬や種羊を積極的に輸入し、品種改良や増産にあたった。日高地方がやがて日本における競走馬の主要な産地となっていく。

彼の功績を称える「エドウィン・ダン記念公園」が札幌の中心のやや南の真駒内にある。その中に記念館もある。札幌付近がスコットランドの風土と気候に類似していることから、酪農や食肉加工の地として相応しいこともダンの技術力が発揮できたとも考えられる。

hitsujigaoka  羊ヶ丘展望台Edwin-Dun エドウィン・ダン記念館

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