アメリカ合衆国とニックネームの由来 その45 The Beehive State

ユタ州(The State of Utah)の歴史といえば、1847年にブリガム・ヤング(Brigham Young)に率いられたモルモン(Mormonism)教徒が迫害から逃れ、入植したことで知られています。モルモン教会は、末日聖徒イエス・キリスト教会(Church of Jesus Christ of Latter-day Saints)といわれます。ユタの北西部は世界最大級の塩砂漠で、これは「Great Salt Lake Desert」と呼ばれています。州都はソールトレーク(Salt Lake)となっています。現在州民の70%がモルモン教徒です。

ヤングらのモルモン教徒は、乾燥した盆地に潅漑農業を興します。そして1849年にはその地をデゼレット州(State of Deseret)と命名します。「Deseret」とはモルモン教徒の言葉で「勤勉な蜜蜂」という意味だそうです。ニックネームにある「 Beehive」とは蜜蜂の巣という意味の単語です。

ヤングはモルモン教会の大管長などをつとめたのですが、最も著名なのが多重婚推進とか黒人教会員の聖職叙任の禁止とった議論を醸したことです。しかし、1890年に一夫多妻制度が廃止され、1896年にユタは連邦政府に加入します。

ユタの産業としては、石油、金、ウランなどが主となっています。世界最大の銅の露天掘り鉱山であるビンガム・キャニオン(Bingham Canyon Mine)もあります。

観光地としても知られています。西部劇のロケ地となった「 Monument Valley」があります。ここでジョン・フォード(John Ford)は「駅馬車 (Stagecoach)」や「捜索者(The Searchers)」を撮影しています。一帯は古くからのナバホ族(Navajo)居住地域で、今もナバホ族の聖地となっています。