「魅了してやまない州」(The Land of Enchantment)というニックネームを持つのがニューメキシコ州(State of New Mexico)です。美しい風景や由緒ある歴史を意味し、この名称は1999年に議会によって正式に認証されます。
1608年頃、ロッキー山脈(Rocky Mountains)の南端にある支脈サングレ・デ・クリスト山脈(Sangre de Cristo Mountains)の麓にサンタフェ(Santa Fe)の町が設立されます。この町は地域内の開拓地の大半とともに、プエブロの反乱(Pueblo Revolt)の結果として、12年間スペインから見放されます。
その後、プエブロ(Pueblo)の指導者ポペ(Pope)の死後、ディエゴ・デ・バルガス(Diego de Vargas)がこの地域をスペインの支配下に戻します。サンタフェが交易の中心として発展する一方で、戻ってきた開拓者が1706年に既にあった周辺集落からアルバカーキ(Albuquerque)をつくります。アルバカーキという名前はヌエバ・エスパーニャの副王第10代アルバカーキ公爵(10th Duke of Alburquerque)フランシスコ・フェルナンデス・デ・ラ・クエバ(Francisco Fernández de la Cueva)にちなんで名付けられたものです。
ニューメキシコ州は、インディアンとスペイン系の植民者とラテンアメリカからの移民を合わせたヒスパニック(Hispanic)系の人口の最も多い州といわれます。また、ナバホ族(Navajo)やアパッチ族(Apache)、プエブロ族など「インディアン」として連邦認定されたインディアンたちの居留地が存在しインディアンの総人口に対する比率が高いことで知られています。
州都はサンタフェ、最大の都市はアルバカーキです。州北部のロスアラモス(Los Alamos)には、マンハッタン計画(Manhattan Project)で知られるロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory)があります。物理学を専攻していた長男らとアルバカーキで会い、この国立研究所を見学したことがあります。院生らとも行ったのは1998年頃です。