フランスの影響を色濃く反映するのがルイジアナ州(State of Louisiana)です。1643年にフランス人ロベール・カブリエ・ド・ラ・サール(Rene-Robert Cavelier de La Salle)が、ミシシッピ川(Mississippi River)の流域を探検し、やがてフランス領と宣言し、ラ・ルイジアーヌ(La Louisiane)と名付けたといわれます。「Louisiana」という地名は、フランス王ルイ14世(Louis XIV)にちなみます。現在の州都はバトンルージュ市(Baton Rouge)。最大の都市はニューオーリンズ市(New Orleans)です。
ラ・サールの探検に先立ち、1541年5月にスペイン探検家のエルナンド・デ・ソト(Hernando de Soto)の部隊はミシシッピ川に到達したという記録があります。ソトはスペインのインカ帝国(Imperio Inca)征服による莫大な財宝を手にしてスペインに戻り征服の英雄として有名になった人です。スペインとフランスの植民地争いが先住民族を巻き込んで繰り広げられますが、結局フランスがミシシッピ川を植民地化していきます。1803年にはアメリカがフランスより今のルイジアナ一帯を購入していきます。
ルイジアナ州のニックネームは「The Pelican State」でありますが、もう一つ「Creole State」というのがあります。この歴史は興味ありますので紹介します。「クレオール」(Creole)というのは、ルイジアナ州で起こったスペイン系やフランス系、先住民族、そしてアフリカ人が使った独特の言葉であり文化のことです。アメリカがルイジアナを買収する以前から、そこに生まれた人々とその子孫、また彼らと関わりのある土着の言語や文化のことが「クレオール」と呼ばれています。その言葉は混交語ともいわれます。民族よりも伝統的名文化を継承する人々が「クレオール」です。その名残は、フランス風の建物やクレオール料理と呼ばれる伝統料理などに表れているようです。