カンザス州(Kansas) 全域がグレートプレーンズ(大平原)の真っ只中にあります。州都はトピカ市(Topeka)であり、州最大の町はウィチタ市(Wichita)、次いでカンザスシティ市(Kansas City)となっています。一度カンザスシティの学校を訪問したことがあります。この市はミズーリ川(Missouri River)とカンザス川(Kansas River)の合流点の西に位置しています。
「ミズーリ」は、この地に先住したインディアンのアルゴンキン語(Algonquian)で、「泥の河」という意味。この川は大量の泥を含むので、別名「Big Muddy」とも呼ばれています。「カンザス」のいわれですが、この地に先住したインディアン部族のカンサ族(Kansa Tribe)に由来しています。もう一つのオマハ族 (Omaha Tribe)も知られています。部族のなかでは「風に立ち向かう者たち」という意味で使われていたとあります。
カンザス発展の歴史ですが、「Wild West」という呼称に表れるように開拓時代の西部地方の土地や家畜を巡る争い、そしてカウボーイ(cow boy)や保安官(shelif)の活躍の歴史です。1872年にはアッチソン・トピカ・アンド・サンタフェ鉄道(Atchison, Topeka and Santa Fe Railway)がドッジシティ(Dodge City)まで開通します。家畜輸送を巡る競争が始まります。ドッジシティ(Dodge City)も荒々しいカウボーイの町で、バット・マスターソン(Bat Masterson)やワイアット・アープ(Wyatt Earp)が町の法執行者として活躍したといわれます。後に「OK牧場の決闘」(Gunfight at the O.K. Corral) や「荒野の決闘」(My Darling Clementine)を監督したジョン・フォード(John Ford)の西部劇製作に影響を与えた舞台が「Wild West」というわけです。
カンザスで忘れてはならないのが、「オズの魔法使い」(The Wizard of Oz)です。カンザスの農場に住む少女ドロシー・ゲイル(Dorothy Gale)は「虹の彼方のどこかに」(Somewhere Over The Rainbow)を歌います。ドロシーと愛犬のTotoは、あるとき大平原でサイクロン(cyclone)に襲われます。そして「Land of Oz」へと飛ばされてしまう話で幕が開きます。
お終いになりましたが、カンザスのニックネームは「The Sunflower State」です。他に「The Wheat State」、「The Cyclone State」、「The Jayhawker State」というのもあります。「Jayhawker」とは黒人奴隷商人を襲い奴隷を解放したゲリラのことです。その後、カンザス州民を指す言葉となりました。