アメリカ合衆国とニックネームの由来 その3 The Last Frontier

1960年代まで、アメリカやヨーロッパに行くときは給油するためにアラスカ(Alaska)の アンカレッジ空港(Anchorage)に立ち寄ったものです。航空機の発達により現在はシベリア経由に変更され、アンカレッジ経由の北回りヨーロッパ線は1991年で廃止されます。アラスカの州都はジュノー(Juneau)です。

Alaskaという地名の由来です。アラスカとカムチャツカ(Kamchatka)の間にあるアリューシャン列島(Aleutian Islands)の先住民族、アレウト族(Aleut)、イヌイット(Inuit)、あるいはエスキモー(Eskimo)が使っていた「半島」を意味する「Alakshak」からきているという説です。

1867年3月にアメリカは、ロシア帝国よりアラスカを購入します。当時アラスカ購入の交渉にあたったのは、国務長官であったウィリアム・スワード(William H. Seward)です。720万ドル、今でいう8億円をロシアに支払ったといわれます。アラスカの購入は、議会ではスワードの愚行(Secretary Seward’s folly)と揶揄されたのですが、その後、豊富な天然資源が見つかったり、旧ソ連に対する国防上重要な役割を果たすことが証明され、スワードの業績は高く評価されるようになります。スワードはその後もハワイ(Hawaii)やサモア(Samoa)、グアム(Guam)、プエルトリコ(Puerto Rico)、パナマ(Panama)、フィリピン(Philippines)などの併合を提案していきます。

アラスカは他の地域から遠く離れ、気候や地理が厳しく、合衆国領となってからも開発や人の移住が進みませんでした。そのような理由で、公式なニックネームは「最後のフロンティア(The Last Frontier)」となっています。「The Great Land」とか「The Land of the Midnight Sun」という呼び名もあります。

漁業では鮭が主要な漁獲物で、オヒョウ、鰊、銀だら、蟹なども豊富に獲れます。大きな鮭缶工場もあります。鉱業では石油、天然ガス、銀、銅などで知られ、石油の産出はテキサス州に次いで二番目となっています。