アメリカ合衆国とニックネームの由来 その1 「合州国」

誠に些細なことから始めます。私の小さな誇りは沢山のアメリカの学校を見て回わり、そのお陰で沢山の友人や知人ができたことです。今もクリスマスカードを交換したり、時折メールやフェイスブックで消息を確かめ合っています。中には、お互いに齢を重ねているので、いざ会うとなると果たしてその面影を思い出せるかどうか少々心配ともなります。

三人の子供も結婚し、子育てに仕事に忙しくしています。長男はマサチューセッツ(Commonwealth of Massachusetts)州都のボストン(Boston)の近くで二人の息子を育てています。長女と次女はウィスコンシン(State of Wisconsin)州都のマディソン(Madison)で、それぞれ二人の娘と一人の息子を育てています。そのような訳でアメリカに友人や知人、そして親戚ができたのです。

出張や私的な旅行で沢山の州を訪ねることができました。州といってもほんの一部の町や村を訪れただけです。とても一つひとつの州を理解したとはいえません。手許にアメリカでの生活で手に入れた古いライセンスプレート(license plate)があります。私の趣味の一つはプレートの蒐集です。アメリカでは、プレートの期限が切れるとそれを所有してよいのです。それを一枚一枚手に取ると、各州の特徴や売りがわかります。州のニックネームがついているのが多くデザインも結構凝っているのが面白いところです。

アメリカはその名のとおり州が集まる合衆国です。「合州国」という名称のほうがわかりやすいようです。州は自分の憲法を持ち、最高裁判所があり、連邦政府が出す大統領令に異議を唱えることができます。最近では3月6日にイスラム教徒が大多数を占める7カ国の市民を対象にした入国禁止令に大統領が署名しました。それに対してニューヨーク(New York)やマサチューセッツ、カリフォルニア(California)、ミシガン(Michigan)、ヴァジニア(Virginia)、ハワイ(Hawaii)、ワシントン(Washington)などの州が異議をとなえました。州は、このように自治権を有し、あたかも国のような統治形態をとっているのです。教育行政ももちろん州に責任があります。それだけに、「アメリカの教育は、、、」といった問いに答えるのは至難の業となります。連邦政府の役割とは軍事、外交、そして通貨制度です。

これから数ヶ月にわたり、アメリカ「合州国」のニックネームを辿り、そのいわれや州の歴史を振り返ることにします。