ユダヤ教では、食べてよいものと食べてはならないものの掟があります。旧約聖書のレビ記(Book of Leviticus)や申命記(Book of Deuteronomy)にその記述があります。この食事規定のことはヘブル語(Hebrew)でカシュルート(kashrut)とかユダヤ人食事法(Jewish dietary law)と呼ばれます。「kashrut」とはヘブル語で「相応しい状態」という意味です。
レビ記は清浄と不浄などを規定し、献げ物や動物の扱いに関しても定めています。レビ記はユダヤ教における律法の中心となったと神学者はいいます。申命記はモーゼが死海 (Dead Sea)の東岸にあるモアブ(Moab)の荒野で民に対して行った3つの説話から成り、十戒が繰り返し教えられています。食のタブーは宗教や民族によって異なる厳格なルールです。
食べてよいものは一般にコーシャ(Kosher)と呼ばれます。ユダヤ教に掟にそって作られたものです。マーケットにいくとコーシャ食品と名のつくものが時々目につきます。例えば、ピクルス(pickles)にも塩にもKosherというのがあります。コーシャの意味は「適正だ」(fit)とか「浄い」ということです。イスラム圏では、ハラル(Halal)がありイスラム法上で食べることが許されている食材や料理を指します。
ユダヤ人にとって宗教的に不浄な食物の例に豚肉があります。食事の作法も律法で規定されています。手を洗うこと、食卓に就いて感謝の祈りを捧げること、そして食後の感謝の祈りがあります。神が命じたことを守るという習慣と行為は、食事にはっきり示されています。食事が宗教儀式となっているといえます。