現在放映中のテレビ小説「花子とアン」の冒頭に、広大な平原と澄みきった青空に帽子が飛んでいるさまがでてくる。そして丘に建つコロニアル様式(colonial style)の一軒家が登場する。このシーンを見るたびに、長男の家を思い出す。あまりにそっくりなのだ。「花子とアン」では、いよいよ暗い戦時下に突入だが。
このドラマの原作は「赤毛のアン(Anne of Green Gables」。 カナダはニューブランズウィック州(New Brunswick)のプリンス・エドワード島(Prince Edward Island)にあるキャベンディッシュ(Cavendish)という街が舞台である。地図で調べるとプリンス・エドワード島はセントローレンス湾(Gulf of St. Lawrens)にある。五大湖が大西洋に流れる出口だ。このあたりもニューイングランド(New England)と呼ばれる。「赤毛のアン」は、カナダの小説家、ルーシ・モンゴメリ(Lucy M. Montgomery)によって書かれた。
さて、コロニアル様式の家についてである。名前は17世紀から18世紀にかけてイギリスやオランダ、スペインで発達した建築様式である。その特徴は、切り妻の屋根、建物の正面にポーチがつき大きな窓とベランダがつく。煙突もある。中には暖炉があるからだ。建物は二階建てで白いペンキで覆われる。二階の屋根にはアーチ型の窓がつきでている。外側の柱はギリシャ様式のような飾りがつく。
コロニアル様式の建物は、アメリカ中西部やニューリングランド(New England)に多い。住宅やアパートだけでなく教会、集会所にもみられる。その最も知られる建物は首都ワシントンの郊外、マウント・ヴァーノン(Mount Vernon) にあるワシントン邸宅(George Washington Mansion)であろう。
マウント・ヴァーノンを訪ねたのは長男が7歳の時。彼はアメリカの歴史を勉強していた。彼の希望で第3代大統領を務めたトーマス・ジェファーソン(Thomas Jefferson)の邸宅のあるヴァージニア州シャーロッツビル(Charlottesville)のモンティチェロ(Monticello)に行った。ヴァージニア大学(University of Virginia)もある。ここの建物はほとんどがコロニアル様式である。全米で最も美しいキャンパスといわれる。