話題を変えて、しばらく大昔の聖書時代に生きた女性をとりあげていきます。誠に女性には苦悩や苦労の多い時代です。女性の地位が危うかった時代でもあります。
旧約聖書にある『ルツ記』(Book of Ruth) は全4章という短い物語です。ルツ(Ruth) はモアブ(Moab)人女性です。モアブは、古代イスラエル(Israel) の東に隣接した地域で今のヨルダン(Jordan)といわれます。
飢饉があって、ベツレヘム (Bethlehem) からモアブ人の地に両親、および弟とともに移住していました。やがてマアフロン (Mahlon) と結婚し、義母のナオミ(Naomi) と暮らします。ですが子供ができぬうちにマアフロンは亡くなります。ナオミの夫と息子も他界します。息子の嫁はオルパ (Orpah) といいました。ナオミはベツレヘムに戻ることを決心します。
ナオミはルツとオルパに対して「自分の故郷に帰って再婚し、幸せをつかんで欲しい」といいます。オルパは別れて故郷へ向かいます。だが、ルツは「あなたを見捨ててあなたに背を向けて帰れなどと、そんなひどいことを強いないでください。わたしは、あなたの行かれる所へ行き、お泊まりになる所に止まります。あなたの民はわたし民、あなたの神はわたしの神、あなたが死ぬところはわたしも死ぬところ、そこに埋葬してください」(ルツ記1章8節~17節) といってナオミから離れようとしませんでした。
やがてルツはボアズ (Boaz) と結ばれます。ボアズはナオミの夫の兄弟でした。 旧約聖書の時代では、家族同士が結婚する風習がありました。これを「レビラト婚」 (Levirate marriage) と呼ばれていました。死んだ夫の代わりに、その夫の兄弟が結婚する習慣で、兄弟が寡婦の権利や義務を受け継ぐしきたりです。戦の多い社会では、当然のことながら寡婦が発生しやすかったのです。ルツもその一人でした。
ルツはやがてオベト (Obed) を産みます。オベトの子はエッサイ (Jesse) です。エッサイはイスラエル史上最大の繁栄をもたらし、その子孫は、後世理想の王とたたえられたダビデ (David) へとつながっていきます。
[contact-form][contact-field label=’お名前’ type=’name’ required=’1’/][contact-field label=’メールアドレス’ type=’email’ required=’1’/][contact-field label=’ウェブサイト’ type=’url’/][contact-field label=’コメントをお寄せください’ type=’textarea’ required=’1’/][/contact-form]