二文字熟語と取り組む その29 「字統」

38053_M denpou_4 429再々度、白川静氏の著作についてです。「字統」という余り聞き慣れない辞書があります。「字源の解明を試みた書」とあります。漢字の構造を通じて字の初形と初義とを明らかにし、字源の字書である「語史的字書」であると著者は述べています。

今回の二字熟語は「伝法」です。「デンボウ」ともいわれます。字統によってその語源を調べてみましたが、なかなか面白いです。まずは「伝法」の意味です。次の四つから成るとしています。
1) 仏法で師から弟子に伝えること
2) 江戸浅草伝法院の下男などが寺の威光を頼んで、無銭で芝居や見世物などを見物する無法な振る舞いをした
3) 悪ずれして乱暴な言行をすること、無頼漢、ならずもの
4) いなせな態度、特に女が勇み肌をまねること

4) の意味から「伝法な口をきく」というフレーズが生まれます。男の言行をいうフレーズではありません。

「伝」という漢字は、「故郷を棄てて四方に仕官を求め、諸国を歴遊すること」とされます。やがて馬車を乗り継いで歩くさまから「駅伝」という語が生まれます。

「法」は犯罪者を海に投げ入れる古代的な刑罰の法を原義とするようです。刑罰の法、法則、法制を示し、法、規範の意となります。

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