「字訓」という辞典ですが、読み物としても実に興味ある内容で一杯です。白川静氏が生涯をかけて完成した著作の一冊です。「漢字を国語として使用し、その訓義が定着する過程を検証する書」です。「訓義」とは訓として使われる意味のことです。もとより「訓」とは音訓の訓のことです。字訓が国語表記の方法として一般に認められ定着するとき、その字は「常訓」というのだそうです。
こうした訓義が定着すると字音の使用が可能となります。山川、森林、広大、など字音のまま国語化されていきます。訓義によって字の意味を理解すると漢字を国字として理解することが容易になります。字訓の成立が国字の鍵となるというわけです。
次回に紹介する「奢侈」という語です。「奢」は人の正面形で人が他を越える様です。そこから自分の地位や才能が人よりすぐれているとして、他に向かって誇る、高ぶっていることを表すというのです。「ぜいたくをする」という意味もあります。「侈」の訓読みは「おごーる」、「ほしいまま」。詳しくは明日のブログをご覧ください。
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