外国語の理解には、その国の文化や政治についての基礎知識が必ず必要である。こうした知識や未知の話題に対する好奇心によって対話が成立する。「安倍首相の人気はどこにあるか?」と尋ねられたとする。「英語ができるから」、「彼の政治スタイルは外国人に理解しやすいから」、「親米主義だから、、」。こんな説明では、この者は安倍を知らんな、と相手はすぐ感じる。
「中国や韓国には領海や領土問題で妥協しない姿勢だから」、「女性の社会進出に積極的な政策を打ち出している、、」。こうした答えには相手は納得するはずだ。対話をするには、話題をある程度まで煮詰めた知識があること、これが第一の対話の条件である。
次に要求されるのは、話題の内容を理解し説明できる語彙や単語を力を持っていることである。先ほどの例では難しい単語が必要な場合もあるが、会話のレベルでは専門用語を知らなくても結構対話は成立する。話題の内容を知っていて、普段からなにがしかのことを考え、意見を持ちあわせていると文章はつくれる。
専門家はその筋の話題については難しい用語を使うのは当然だが、我々にはそこまで要求されない。むしろ、「家族や友だちにそのことを研究している者がいる」、「日本でも話題となっている、その理由は、しかじか、、」くらいが説明できればよい。中学や高校の英語力で対話ができるのは間違いない。自信を持つことだ。
ネット上でのBBC、USA TODAYなどのニュースに毎日目を通すことも大事だ。新しい知識を身につけると同時に、世の中の動きに疑問を持つことがもっと大切である。不可解なこと、理不尽なこと、いくらでもある。英語力とは実は、こうした物事への好奇心の高まりと相まってつくものである。「語学を学ぶ」と同時に「語学で学ぶ」という姿勢も大事にしたい。