ナンバープレートから見えるアメリカの州メイン州・Vacation Land

メイン州(Maine)のナンバープレートには「Vacation Land」とあります。「The Pine Tree State」とも呼ばれ観光と森林の州を謳っています。多くの州立公園があり、キャンピングなどアウトドアでも盛んなところです。豊富な海産物を背景に観光客には、必ず立ち寄るのが海産物を提供しているレストランとなります。

License Plate of Maine


メイン州は合衆国本土の最東北部に位置する小さな州です。北、東、西側はカナダと長く国境線を有し、南は大西洋がひろがる州です。州の内部には森林が広がり、海岸線は観光地として知られています。メインはニューイングランドの一部です。州都はオーガスタ市(Augusta)です。州の海産物はなんといってもロブスター(lobster)そして貝類(clam)。その他、家禽及び卵、乳製品、牛、ブルーベリー(blueberry)、リンゴ、そしてメイプルシロップ(maple syrup)です。他にも産業生産で高いのは材木及び製紙です。合衆国の海軍基地を控え造船も盛んな地です。

Augusta, Maine

現在メイン州となっている領域には、アルゴン族Algonquian)インディアンがこの地域の最古の住民だったいわれています。ヨーロッパからの入植者たちは、ペノブスコット族(Penobscot)とパッサマクオディ族(Passamaquoddy)が川沿いと海岸に住んでいるのを発見します。最初の開拓地は、1604年にフランス人ピエール・デュギュア・シュール・ド・モン(Pierre Duguy Sur de Monts)がサンクロワ島(Saint-Croix Island)に設立したものでした。フランスは1603年にメイン州をアカディア州(Acadia)の一部とし、イギリスは1606年にプリマス社(Plymouth Co)に領有権を与えます。プリマス社はポパム植民地(Popham Colonyをつくりますが、短命に終わります。17世紀にはイギリスが散在する入植地を築きますが、1763年にイギリスがカナダ東部でフランスを征服するまで、この地域は常に地元インディアンとの抗争の地となります。

Map of Maine

メイン州は1652年から1820年のミズーリ妥協により連邦の23番目の州として承認されるまで、マサチューセッツ州の一地区として統治されます。カナダとの境界は1842年に定められました。19世紀には南北戦争と産業革命によって労働者と資本がメイン州から流出しますが、20世紀には南西部の沿岸地域を中心に緩やかながら着実に経済成長を遂げていきます。経済は農業と天然資源に基づいています。

アメリカ独立戦争(War of Independence)や米英戦争(War of America)のとき、アメリカの愛国者とイギリス軍がメインの領土を巡って争います。これはアルーストック戦争(Aroostook War)と呼ばれます。メイン州と英国系カナダ人のニューブランズウィック州(New Brunswick)の間で係争中であった境界線を巡る無血紛争です。

Pine Trees in Fall

アメリカ独立戦争に締結された1783年の平和条約では、2つの地域を分ける「高地」(highlands)、つまり分水嶺の位置が不明瞭なままになっていたのです。その後数年間、イギリスとアメリカの交渉は合意に至らず、この問題はなぜかオランダ国王(Netherlands)に付託され、1831年にオランダ国王が決定を下しますが、メイン州国民はそれに激しく反対し合衆国上院(Senate)も否決をすることになります。さらに、ニューイングランドからの入植者とカナダからの製材業者が係争地域アルーストック地域に移住し、1838年から1839年にかけて紛争は激化します。双方の役人や集団が「不法侵入者」を逮捕して捕虜にします。

Frenchman Bay

1839年3月、ケベック州(Quebec)のイギリス軍がアルーストックのアメリカ地区であるマダワスカ(Madawaska)に到着すると、メイン州議会は直ちに80万ドルを計上し、1万人のボランティア民兵を招集しアルーストックに派遣します。アメリカ議会も5万人の兵士と1,000万ドルの拠出を可決し、ウィンフィールド・スコット(Winfield Scott)将軍はマーティン・ヴァン・ビューレン(Martin Van Buren)大統領によってメイン州オーガスタ行きを命じられます。1839年3月、彼とイギリスの交渉官ジョン・ハーヴェイ卿(Sir John Harvey)とスコットは、満足のいく解決が得られるまで停戦することと、係争中の領土を共同で占拠することに合意します。後の1842年にメイン州とイギリスの植民地であったカナダ・ニューブランズウィック州の境界線の位置を巡る紛争は、ウェブスターアッシュバートン条約(Webster-Ashburton Treaty)によって解決されます。

1820年まではメイン地区としてマサチューセッツ州(Massachusetts)に属していましたが、1820年の住民投票でマサチューセッツ州からの分離を決め同年の3月15日にアメリカ合衆国23番目の州に昇格します。

Lighthouse in Maine

メイン州は19世紀の緩やかな成長を経て、20世紀後半に25万人近くという前例のない人口増加を経験します。この成長の大部分は、特に州の沿岸部と南西部への移民の結果でした。しかし、アルーストック郡(Aroostook)は実際に人口の10分の1近くを失い、人口は減少し続けています。

メイン州の人口は均等に分布していません。住民のほぼ4分の3が、メイン回廊(Maine Corridor)として知られる州の南西5分の1に住んでいます。州の北西部と東部内陸部にはメイン州の人口の1% 未満が含まれていますが、面積の5分の2を占めています。

メイン州の住民の約半数は都市中心部に分類される地域に住んでいますが、人口が25,000人を超える都市は3つだけです。都市中心部のほとんどはメイン回廊内にあります。メイン州最大の都市圏は、ポートランド(Portland), サウス ポートランド(South Portland),ビデフォード(Biddeford)などです。ポートランドは、キャスコ湾(Casco Bay)とその周辺の内陸に広がる大都市圏の中心です。州の商業と交通の中心地であり、その経済は成長し多様化した産業基盤を持っています。ポートランドの南にあるビデフォードは、かつては繊維の中心地でした。繊維と靴の重要な製造の中心地であったルイストン(Lewiston)とオーバーン(Auburn)の双子の都市は、州内で2番目に大きな都市圏を形成しています。

Village in Maine

現在、この地域は多様な製造業に依存しており、アンドロスコッギン(Androscoggin)渓谷とオックスフォード(Oxford)郡東部の両方にサービスを提供する重要な商業拠点となっています。バンゴー(Bangor)は、ペノブスコット川(Penobscot River)の航行の始点にある古い製材業の町で、メイン州の北部と東部を含む広大な後背地の商業の中心地です。

Camden, Maine

州都オーガスタはケネベック川(Kennebec River)の航路の先端にあります。州政府が主な雇用源でオーガスタはメイン州中西部の重要な貿易の中心地でもあります。オーガスタの北、ケネベック川沿いにあるウォータービル(Waterville)は、隣接するコミュニティとともに、20世紀後半に製造業へと転換し、小規模で多様な産業が集積し、オーガスタと同様に地域貿易の中心地となっています。

Augusta, Maine


(2024年4月27日)