アメリカ合衆国の州を愛称から巡る その75 アメリカの自治領 その四 北マリアナ諸島

北マリアナ諸島(Northern Mariana Islands)は、サイパン島(Saipan)やテニアン島(Tinian)、ロタ島(Rota)などの14の島から成るアメリカ合衆国の自治領です。主都は、サイパン島のススペ(Susupi)です。小笠原諸島の南側に連なるミクロネシア最北端の島や北から南へ15の島が並びます。

Map of Saipan

マリアナ諸島の歴史です。東南アジアから渡って来たチャモロ人(Chamorro)が定住し、古代にはタガ王朝(Taga Dynasty)が成立します。1521年にマゼランがグアム島にやってきます。1668年からカトリックの布教が始まります。当時のスペイン皇后マリアンナ(Mariana)を記念して命名されたのがマリアナ諸島です。1565年には全島がスペインの支配下に入りますが、チャモロ人の反乱は絶えず、スペインーチャモロ戦争が勃発します。1698年には全島民がグアムに強制移住させられるという歴史を辿ります。

戦前のサイパン

1898年、米西戦争の結果マリアナ諸島はカロリン諸島(Caroline Islands)とともにドイツ領となり、第一次世界大戦後、日本の国際連盟委任統治領となります。当時は「南洋諸島」と呼ばれた地域です。日本の委任統治下で、サイパン、テニアンではサトウキビ農場の開発に成功します。サイパン島では1934年に砂糖生産のために南洋興発という会社が設立され、砂糖キビを運搬する鉄道も敷設され1944年まで使われます。今も砂糖王公園(Sugar King Park)があります。

助けられた避難民

太平洋戦争中、サイパン島やテニアン島は住民を巻き込んだ日米の地上戦が展開されました。統治下のパラオ諸島(Palau Islands)に優る繁栄をします。1978年、他のミクロネシア地域から離脱し、自治政府をつくり1986年アメリカの自治領となります。北マリアナ諸島の住民は、アメリカの市民権を有しています。マリンスポーツ、キューバ・ダイビングなど観光が主な産業で日本人旅行者も絶えません。