ハーレー・ダビッドソンの海外での販売の歴史です。アメリカ以外で継続的に営業している最古のハーレー・ダビッドソンディーラーは、1918年にオーストラリアに設立されます。 日本での販売は1912年に始まり、1929年にはハーレー・ダビッドソンの名前で、同社の工具を使用してライセンス生産します。1935年にライセンスのみならず設備まで買い取ることで国産化の目処が立ち、その際に設立されたのが「三共内燃機株式会社」です。
翌1936年には社名も三共内燃機から「陸王内燃機」に変更されました。そして「陸王」という新車名で日本でハーレー・ダビッドソンを生産します。陸王内燃機は1949年に業務を停止しますが、翌1950年に昭和飛行機が権利を買い取り「陸王モーターサイクル」として復活します。生産された車名は「陸王グローリー号」です。ロータリーチェンジ式や国産初のスイングアーム式など最新の性能を兼ね備えたモデルで当時は人気を呼びました。
やがてスーパーカブで王者に上り詰めていたホンダ、スポーツとデザインに秀でていたヤマハ、最初からコスト・パフォーマンスが優れていたスズキが台頭し、陸王も対抗することが出来ず1959年に生産がストップします。ちなみに陸王という名前の由来は一説では、1927年に作曲された慶應義塾大学の応援歌『若き血』から引用したといわれています。「陸の王者ケイオー」をご存じでしょうか。
1993年の創立90周年から、ハーレー・ダビッドソンは「ライドホーム」(Ride Home)と呼ばれるミルウォーキでの祝賀ライドを行っています。この新しい伝統は5年ごとに続き、ミルウォーキの他のフェスティバル、例えばサマーフェスト、ドイツフェスティバル、フェスタ・イタリアーナなどと同様に、非公式に「ハーレー・ホームカミング・フェスト」(Harley Homecoming Fest)と呼ばれるようになっています。110周年記念式典は、2013年8月29日から31日にかけて開催され、120周年記念は、2023年7月13日から16日まで、ミルウォーキで開かれます。
ハーレー・ダビッドソンミュージアム(Harley-Davidson Museum)はミルウォーキでも有数の観光名所となっています。2011年3月の東日本大震災で流されてブリティッシュコロンビアに漂着した”Night Train”と呼ばれたハーレーも展示されています。入場料は8ドルから20ドルくらいです。それにしてもハーレーのズズーンという鼓動には圧倒されます。