アメリカ合衆国の州を愛称から巡る その16 『Land of Lincoln』とイリノイ州

イリノイ大学(University of Illinois)があるのは、アーバナ・シャンペイン(Urbana-Champaign)という大学街で、友人のデルウイン・ハーニッシュ氏(Delwyn Harnisch)が同大学心理教育学部の教授をしていました。彼のエピソードです。ネブラスカ大学(University of Nebraska)から招聘を受けたとき、心理教育学部長に、ネブラスカ大学から示された給与額を伝えます。もし、心理教育学部が同額に近い給与を出せばイリノイ大学に残るといいます。学部長はそれは無理であるという回答だったのでネブラスカ大学へ移ることにした、という話です。このように給料の交渉ができるのがアメリカの大学の面白いところです。有名教授ならではのエピソードです。ハーニッシュ教授を兵庫教育大学に半年間客員教授として招いたことがあります。温泉や露天風呂が好きな人でした。

シカゴ

肝心のイリノイ州の紹介です。歴史は現代になり1900年になると、イリノイ州北部の都市では産業が盛んとなり、中部や南部では石炭の採掘が増えます。それと同時に東欧や南欧からの移民が集まるようになります。南部からの大移動により、シカゴ(Chicago)を中心にアフリカ系アメリカ人のコミュニティが形成され、有名なジャズやブルースの文化も栄えます。今やシカゴは文化、経済、人口の中心地となり、今日では世界の主要な商業都市の一つとなりました。

ガレーナという街

イリノイ州からは3人の歴代大統領を輩出します。エイブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln)、ユリシーズ・グラント(Ulysses S. Grant)、バラク・オバマ(Barack Obama)です。さらにロナルド・レーガン(Ronald Reagan)は同州で生まれ育った大統領です。現在、イリノイ州はリンカーンを称え、州の公式スローガン「Land of Lincoln」を掲げており、1954年からナンバープレートに表示されています。州都スプリングフィールド(Springfield)にはリンカーン大統領図書館・博物館があり、シカゴには近いうちにバラク・オバマ大統領センターが建てられる予定でです。