アメリカ合衆国建国の歴史 その151 ヤンキーダムやニュー・ネザーランド

アメリカが、地理ではなく政治的信条で分断されていることは、新型コロナウイルスのパンデミックへの対応でも見てとれます。すべての州に適用される連邦政府の対策がないので、各州知事が連携して危機に立ち向かうための計画を作っています。連邦政府は各州の自由と責任に委ねるという方針なのです。

Dutch Colonies


ニューヨーク市以北の北東部からミシガン、ウィスコンシン、ミネソタ各州まで広がる「ヤンキーダム」(Yankeedom)は、教育、知的な功績、地域社会のエンパワーメント、圧政を防ぐための市民の政治参加を重んじています。ヤンキーダムは教育を重視し、政府による規制に賛成する傾向があります。ヤンキーダムの人たちには「ユートピア志向的な傾向」があるともいわれます。このエリアは、急進的なプロテスタントであるカルバン派の信者が入植した地域です。

New Netherland


ニューヨーク市を含む「ニュー・ネザーランド」(New Netherland)には、「唯物主義」の文化があります。商業的な文化が色濃いニュー・ネザーランドは、唯物主義的な傾向があり、民族や宗教の多様性にきわめて寛容で、探究の自由と道義心を断固として守り抜くという精神があるともいわれます。本国オランダの基盤である「宗教的自制心の自由を保ち享受する」という信仰精神や多元的共存性の富の尊重、文化的および宗教的寛容さの影響であろうといわれます。オランダの影響は、ロードアイランドからデラウェアにかけての地域で、今日でもオランダ語の地名として残っていることからもうかがえます。