カリブ海(Caribbean Sea)に浮かぶ複数の島で構成されるプエルト・リコ(Puerto Rico)は、「富める港」という意味だそうです。かつてはスペインの植民地でしたが、現在はアメリカ合衆国の自治領となっています。マイアミから飛行機でわずか 2 時間のところにあります。鹿児島県と同じ面積です。西に80キロの海峡を隔ててハイチ(Haiti)、ドミニカ(Dominica)共和国があります。他のカリブ海の島々に比べて奴隷制が拡大しなかったので、白人の割合が多いのがプエルトリコです。主都はサンフアン(San Juan)です。
1493年にコロンブス(Columbus)が島に上陸します。そしてサンファン・バウティス島と名付けます。先住民族はインディヘナ(Indígena)、またはインディオ(Indio)と呼ばれています。やがて奴隷として連れてこられたアフリカ系黒人、ヨーロッパ系白人、中国人などの血が混ざっていきます。インディオはスペイン系征服者たちにより長年呼ばれてきたために階級的劣位者あるいは卑俗な民というニュアンスで用いられることが多いようです。現在はスペイン系が約76%を占め、通称プエルトリカン(Puerto Rican)と呼ばれます。
1898年にアメリカ合衆国とスペイン帝国の間で起きた争いは米西戦争と呼ばれます。パリ講和条約によって敗れたスペインはプエルト・リコをアメリカに渡し、1917年には住民もアメリカ市民としての権利を得ます。そして1952年、憲法によりアメリカの自由連合州として内政自治権を獲得して以来、アメリカとの半独立関係を保持しています。
プエルト・リコは知事を合衆国大統領が任命する直轄領となります。アメリカ合衆国の領土となったプエルト・リコでは主権を求める完全独立派、アメリカ合衆国を構成する一州への51番目の州昇格派、現状のまま自治権の拡大を求める自治権拡大派が対立しています。しかし、独立派は少数となっています。