囲碁にまつわる言葉 その27 【橘中の楽】

日本では、橘は固有のカンキツ類で、実より花や常緑の葉が注目されたようです。実は酸味が強く生食用には向かないため、マーマレードなどの加工品にされます。マツなどと同様、常緑が「永遠」を喩えるということで喜ばれたのです。橘は文様や家紋のデザインに用いられ、文化勲章は橘をデザインしています。【橘中の楽】という故事ですが、昔の出来事のことです。多くの故事は中国の古典にある話といわれています。

橘中之楽

橘の花

—–【橘中の楽】——–
「幽怪録」という中国の物語からの話です。四川省で橘(たちばな)の庭園を持っていた男が、あるとき霜が降りたあとで、橘の実を収穫します。最後に樽のような大きな実が二つ残り、それらを割って見ると、中に仙人が二人ずつ入っています。この仙人達は、橘の実の中で碁を打って楽しんでいたのです。この話から囲碁は、「橘中の楽」とも呼ばれるようになったそうです。橘とはミカンのことです。さしずめ、桃太郎のような故事ともいえそうです。