囲碁にまつわる言葉 その24 【烏鷺】

平成21年の碁楽連だより209号に、同会員の三浦隆郎氏が「囲碁の別称」という随筆を投稿しています。「囲碁」の別称はいくつかあります。「烏鷺(うろ)」、「手談(しゅだん)」「方円(ほうえん)」「坐隠(ざいん)」といった言葉です。囲碁をして、故事来歴や伝説に由来するものから形(デザイン)をあらわすものを指します。

2012年に白泉社から発行された囲碁漫画「星空のカラス」全8巻に囲碁が大好きな13歳の少女、烏丸和歌が登場します。プロ棋士だった祖父から碁を教わり、年齢も性別も関係なく人とつながれる碁の楽しさを知ります。そんなある日、若手天才棋士の鷺坂総司に出会います。鷺坂の全身を傾ける対局に感銘を受けた和歌は、自分もプロ棋士になることを決意します。2人の主人公の名前は囲碁を意味する「烏鷺」から由来しています。

天才棋士の鷺坂総司

—–【烏鷺】——–
烏鷺(うろ)とは、囲碁の別称で、黒石と白石を烏と鷺に例えたものです。碁の対局は「烏鷺の争い」ともいわれます。「烏鷺」とは、「カラス」と「サギ」のことです。カラスは黒色を象徴し、サギは白色を象徴する鳥なので、「烏鷺」という言葉に用いられています。「烏鷺の争い」は「囲碁で勝負をすること」という意味の諺です。「烏鷺」は、単に「黒色と白色」を表す言葉としても用いられます。