囲碁にまつわる言葉 その6 【八百長】

八王子囲碁連盟の前身、碁老連はその大会への参加条件は60歳以上の市民と会員で、段位を持っていること必要でした。しかし、世の中の変化のせいでしょうか、その後の大会では級位者も参加できるようになります。碁の人口を掘り起こしたり、広げるために順当な判断だった思われます。

碁老連ニュースはなぜか第10号から手書き刷りとなります。それでも相変わらず記事は大会開催の案内や大会記録に終始しています。この理由は、ニュースは全く会員だけに配付され読んで貰う方針だったからだと思われます。しかし、ニュースというのは組織の顔にあたります。対外的な読者もいることを念頭におく必要があります。注目したい記事は、NTT敬老囲碁大会の対局の棋譜が掲載されていることです。八碁連だよりもこうした棋譜を載せて読者を楽しませることです。

—–【八百長】——–
広辞苑二版には、「明治初年、通称八百長という八百屋が、相撲の年寄伊勢ノ海五太夫と常に碁を囲み、すぐれた技倆をもちながら、巧みにあしらって一勝一敗になるようにした」とあります。この場合、年寄は相手は手加減の技倆を理解できていなかったようです。両国にあったある碁会所の来賓として招かれたのが16世・20世本因坊秀元です。八百長は秀元との対局で本気を出して勝負したことでその実力がばれたようです。以後わざと実力を出さないことを“八百長”と呼ばれるようになります。ただ、話が上手すぎるという印象もありますが、、、

八百長相撲

八百長の意味は、内々にしめしあわせておいて、なれ合いをすることとあります。相撲でも政治の世界でもみられることです。「おもねる」「へつらう」は、気に入られようとする下心のことです。ネガティブな脈絡でつかわれる言葉です。

2017年の新語・流行語大賞となったのが「忖度」。「他の人の気持ちを推し量ること」という意味」だそうです。「こびるとかへつらうというような下心はない」と辞書にはあります。ですが、報道されてきた忖度の用法は、どうも「おもねる」のニュアンスが感じられます。英語では「flattering」が相当します。