懐かしのキネマ その111 【灰とダイヤモンド】

原題は【Ashes and Diamonds】といいます。ポーランドの名匠、アンジェ・ワイダ(Andrzej Wajda)がメガホンをとっています。ドイツ軍が降伏し、ロンドン亡命政府系のゲリラとソ連の後押しを受けるポーランド労働者党との内戦が始まろうとしていた1945年5月の4日間、とある地方都市に集った人々を描写することによって、第2次世界大戦末期のポーランドの姿を映し出す作品です。

時代は第二次世界大戦の最中です。1945年5月7日、ドイツ軍が遂に降伏。物語の始まりは、5月8日のポーランドでのことでした。国内軍系列のテロリストとして活動しているマチェク(Maciek)、アンジェイ(Andrzej)、ドレノウスキ(Drewnowski)は、ソビエトから帰国した共産党地区委員長シュツーカ(Konrad Szczuka)の暗殺を計画していました。

Ashes & Diamonds

マチェクとアンジェイは、街はずれの礼拝堂で車が通るのを待ち伏せします。そこに少女が現れて礼拝堂の扉を開けてくれと頼まれます。しかし、どうしたことか扉は開きません。そこに車がやってきます。二人は車の前に飛び出し、銃撃します。逃げた男を礼拝堂の前まで追い詰め一気に射殺します。

開かなかった礼拝堂の扉がゆっくりと開いていきます。闇に浮かび上がるマリア像が青年たちを見つめています。その後、ホテルでの戦勝祝賀会を訪れた二人は、なんと殺したはずのシュツーカを目撃するのです。銃撃は人違いだったことをマチェクとアンジェイは知ります。

マチェクは、自分には待っている者もこの世に未練もないと思い込みます。そしてマチェクは再び暗殺へと乗り出します。暗殺の機会を待つマチェクは、ホテルのバーで給仕として働くクリスティーナ(Kristina)と恋に落ちます。戦争で家族を失い、刹那的な生活を送っている彼女です。クリスティーナとしばしの逢瀬を楽しんだマチェクは、暗殺業から足を洗い、彼女と新しい人生を歩んでいくことを決意します。この女性との出会いがマチェクの人生を揺さぶり、一時の幸せを味わわせます。

Maciek

新年度迎え、ホテルではショパン(Frederic Chopin)の大ポロネーズ(grande polonaise) が演奏され人々は踊ります。シュツーカには長年会っていない17歳になる一人息子マレクがいます。彼はマチェクによく似た国内軍系列のゲリラ兵グループの一員となっていますが、保安隊に捕まります。その息子マレクに会いに行くのをマチェクが後をつけ射殺するのです。マチェクは逃げようとしますが、労働者党のポーランド兵に撃たれます。そしてゴミ捨て場で倒れるのです。