フランスの作家、ジュール・ヴェルヌ(Jules Verne)の同名小説【Around the World in 80 Days】を原作とする映画です。主人公が20,000ポンドの賭けに勝利するため、気球・鉄道・蒸気船などを利用して80日間での世界一周を目指すのです。日本を含む世界各国の多彩な風景をカラー撮影で楽しめるアドヴェンチャー映画でもあります。主演のフォッグ役(Fogg)には、イギリス紳士的風貌の持ち主である名優デヴィッド・ニーヴン(David Niven)、パスパルトゥー役(Passepartout)には「カンティンフラス」(Cantinfla)の愛称で知られた世界的コメディアンのマリオ・モレノ(Mario Moreno)、アウダ妃(Princess Aouda)をシャーリー・マクレーン(Shirley MacLaine)が演じていいます。
1872年、英国人紳士のフォッグ(Phileas Fogg)は、80日間で世界一周ができると宣言します。リフォームクラブ(Reform Club)という社交場にて4名の懐疑的なメンバーとで当時の価値で2万ポンド、今の価値で1,800万ポンドで賭をするのです。80日後の丁度その夕方8時45分に社交場に戻れるかどうかです。
パスパルトゥーという下男を連れ、フォッグは大枚をはたいて目指す目的地へより早く到着するために蒸気汽船などを借り上げます。出発地点はパリで、ラコンケッタ(La Coquett)という気球に乗り込みます。山越えの汽車のトンネルがふさがれたのを知ったからです。二人はスペインにやってきます。パスパルトゥーは奇妙な闘牛士となり牛と闘います。
次はイタリアのブリンディジ(Brindisi)に行きます。ところがフォッグはイングランド銀行(Bank of England)から4,900万ポンドの金を盗んだという疑いをかけられスコットランド警察(Scotland Yard)の警部フィックス(Fix)に追われます。フィックスはスエズ運河(Suez Canal)の近くの英国領の港町で二人を待ち受けるのです。逮捕を逃れた二人はインドに着きます。そこでアウダという女性を知ります。夫の葬式で、彼女は火葬用の薪の上で生け贄にされようとします。計略を思いついたパスパルトゥーは、薪の中から突然起き上がり、夫のふりをして恐怖におびえている僧たちを尻目にアウダを助けだすのです。
香港に到着します。パスパルトゥーは追いかけてくる警部フィックスの計略で阿片を吸わされ、意識朦ろうとなりながら、どうにか横浜行きの蒸気船に乗り込みますが、主人のフォッグに船の出航が繰り上げになったことを伝えられませんでした。フォッグは日本への移動手段が絶たれたことに気づきます。彼は次の目的地である横浜へ向かう船を探し、小さな水先案内船を見つけ、船長に大金を握らせてフォッグとアウダ、そして警部フィックスは横浜経由でサンフランシスコ行きの大型船の出発地、上海へ向かいます。洋上で時化に遭うも横浜にたどり着きます。そこでフォッグは、サーカス団の団員としてアメリカへ渡ろうとしていたパスパルトゥーを偶然に発見するのです。
サンフランシスコで一行はニューヨーク行きの大陸横断鉄道に乗り込みますが、列車がインディアンの襲撃を受けます。襲撃でパスパルトゥーと他の2人の乗客が人質として拉致されますが、フォッグは旅よりもパスパルトゥーの救出を優先し、砦の近くの兵士たちとインディアンの集落に向かい、無事人質たちの解放に成功します。
12月21日に一行はイギリスのリバプール(Liverpool)へ到着します。警部のフィックスは横浜で受け取っていた逮捕令状をもってフォッグを逮捕してしまうのですが、本物の銀行強盗は3日前に逮捕されていたことを知ります。フォッグは急いでロンドンへ向います。そして賭で決めていた予定から5分遅れた午後8時50分にロンドンへ到着します。フォッグは賭けに負けたと思い、フォッグは下男のパスパルトゥーに、翌日にアウダとの結婚のために、教会での式の準備を依頼します。
ところがパスパルトゥーは結婚式の日は、復活祭(Salvation)の日曜日であることを告げられます。そこでフォッグは日付変更線(international date line)により、一日遅れていることに気が付くのです。そして期限の8時45分前にリフォームクラブへ行き、自分が賭に勝ったことを宣言します。そこへパスパルトゥーとアウダがリフォームクラブにやって来ます。そこにいた紳士連中は驚愕します。なぜなら、それまでクラブは長い間女人禁制だったからです。