懐かしのキネマ その64 【シェーン】

雄大な自然が広がる西部開拓時代のワイオミング(Wyoming)を舞台に、流れ者シェーン (Shane) と開拓者一家の交流や悪徳牧場主との戦いを描いた名作西部劇が【Shane】です。

Wyoming

合衆国の内戦である南北戦争が終わった頃です。入植者のジョー・スターレット (Joe Starrett) は妻マリアン (Marian)、幼い息子ジョーイ(Joey) とともに地道に開拓作業に励んでいました。しかし、横暴な牧場主ライカー (Ryker) によって一家の平和が脅かされつつありました。この地域一帯を昔から支配してきた牧場主ライカ―たちは自分らの既得権益を守ろうと、入植者たちを追い出そうと日々嫌がらせをしてきていたのです。

ジョー家族の前に、シェーンと名乗る流れ者のガンマンが現われます。一家は紳士的で献身的なシェーンをすぐに気に入り、しばらくの間家に迎え入れることを決めます。その一方で、ジョーとマリアンはシェーンが凄腕のガンマンであることにうすうす感づいていました。ガンマンの夢を持つジョーはシェーンに強い憧れを抱くようになり、彼との時間に夢中になっていきます。シェーンも、ジョーの仲間の開拓者たちとも友情を育んでいきます。しかしライカーの暴力は日ごとにエスカレートしていき、ついに開拓者の1人が殺し屋に命を奪われてしまきますいます。ライカーとの話し合いに向かおうとするジョーを止めたシェーンは、たった1人でライカー一味に立ち向かうのです。

Shane and Joey

その後、身の危険を守るため、ジョーら入植者たちは可能な限り集団行動をとることを決めます。そして、女子どもを連れて入植者たちが街に出たときのこと。再びライカ―の一団から無礼な言葉をかけられたシェーンは、その態度に暴力で応えることを決めます。大勢の男相手と殴り合いをするシェーンに加勢しようと、途中からジョーも参戦。二人は日頃の恨みを晴らすには十分な報いをライカ―の部下たちに与えることに成功します。

そして、シェーンが酒場を出ようとしたとき、「危ない!」というジョーイの声に反応し、シェーンは物陰に潜んでいた手下に気づきます。シェーンはすぐに最後の手下を撃ち殺し、隠れていたジョーイと再会します。ジョーイの前に立ち、いつもの笑顔に戻り、「気にするな」と声をかけ、馬にまたがります。シェーンがここから旅立とうとしていることに気づきます。旅立つ理由を尋ねられ、シェーンは「一度でも人を殺せば、元には戻れない」と答え、こう付け加えました。「強くまっすぐな男になれ」とジョーイの頭をなでると、シェーンは旅立ちます。ジョーイは去り行く後ろ姿に大きな声で言葉をかけ続けます。”Shane, come back! Shane!”