懐かしのキネマ その52 【タワーリング・インフェルノ 】

これを越えるパニック映画は出てこないといわれる最高傑作が【タワーリング・インフェルノ】(Towering Inferno)です。1974年作の映画です。「Inferno」とは猛火とか地獄という意味です。サンフランシスコ(San Francisco)の新名所、138階建のグラスタワー(Glass Tower) が落成式を迎えます。ビルの設計者はダグ・ロバーツ(Doug Roberts)。社長はジェームズ・ダンカン(Jim Duncan)です。ロバーツはこの仕事を最後に、婚約者と砂漠で生活をするために退職を考えています。

設計士と消防隊長

最上階のプロムナード・ルーム(Promenade room) に300名の来賓を招いた落成式が始まる頃、ビル地下室の発電機が故障したため、主任技師らは予備の発電機を始動させます。この時、小さな火花が走り配線に火が移ると同時に、81階にある物置室の配電盤のヒューズが発火し床に燃え広がります。ロバーツのもとに、電気系統の異常の連絡が入ります。電気系統を点検すると、配線工事が自分の設計通りに行われておらずひどい手抜きであり、配線の規格も設計したものより細いことに気付き憤然とします。

サンフランシスコ消防署の消防隊長オハラハン(Chief O’Halloran)は隊員とともに消火にあたります。設計士のロバーツと初めて顔を合わせたとき、オハラハンはロバーツに向かって吐き捨てるように言いいます。「設計屋め、設計屋は高さを競い合う」と。オハラハンはグラスタワーが炎の地獄と化し通常の消火は不可能と判断します。そして海軍のヘリコプターに空からの救援を依頼しますが、強風のためビルに近づくことができません。かろうじて近づいた一機もビルに激突して炎上します。

グラスタワーの大火災

隣りのビルからのワイヤーを結び、救命籠で客を避難させようとしますが犠牲者を出し、いきずまります。あと15分で火がプロムナード・ルームに届くというとき、防火服に身をかためたオハラハンはヘリで屋上にたどりつくと、ロバーツと協力してプロムナード・ルームの真上にある巨大な貯水槽を一挙に爆破し放水させることにします。百万ガロンに近い水の奔流で、攻め上がってくる炎を消そうというのです。もの凄い水力に押し流されて死者もでますが、消防隊の奮闘でなんとか消火しますが、200人が亡くなります。ラストシーンの別れ際も、オハラハンはバーツに手厳しく忠告します。「今にこんなビルで1万人の死者が出るぞ!」