アメリカの文化 その17 メディケアとオバマケア

メディケア (Medicare) とは、アメリカでの65才以上の高齢者と障害者のための国が運営する保険制度です。メディケアを受給できるのは下記の条件を満たす人です。
・65才以上で、アメリカ居住5年以上のアメリカ市民権または永住権保持者
・65才未満の身体障害者で一定の資格を満たす人
・末期の腎臓病またはルー・ゲーリック(Lou Gehrig)病(筋萎縮性側裂索硬化症)の人

低所得者や障害者には、メディケイド (Medicaid) という制度もあります。メディケイドは、連邦および州両方の税収入によって運営され、実際に管理運営しているのはそれぞれの州です。2010 年にオバマ大統領が署名して発効した医療保険制度改革法(Patient Protection and Affordable Care Act)があります。通称「オバマケア」(Obama Care) と呼ばれ、メディケイドの枠が拡大され、多くの州では65才未満の低所得者のメディケイドへの加入資格がそれまでよりも緩和されました。

オバマケアによりますと、保険にはカバーしなければならない最低基準があります。保険の補償内容である保険プランは、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの4つのレベルに分けられます。ブロンズは保険料が一番安く、プラチナが一番高いレベルです。ブロンズは医療費の約6割を保険がカバーするプラン、シルバーは 7割、ゴールドは8割、プラチナは9割となっています。保険料が高ければ補償の額は高くなるのは当然です。

保険料負担が所得に応じて一定の割合以下になるように、補助金制度が設けられています。保険料の補助を受けることができる条件は主に次の通りです。
・アメリカで所得税を納税していること
・家庭の所得が、貧困レベルの40%以内であること
・勤務先で団体保険の提供がないこと
アメリカの医療保険や健康保険の制度は複雑です。貧富の格差が大きいことも制度をわかりにくくしています。